独立開業・起業

福祉用具貸与の指定申請のご紹介

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 福祉用具貸与の開業・経営するにあたって指定申請をクリアする必要があります。

今回はその指定申請について詳しく述べていきます。

ご一読いただき、参考になさってください。

疑問を持つ女性

福祉用具貸与の指定申請とは

 福祉用具貸与の事業を行う際、事業を行う予定の都道府県に介護事業者指定申請を行い、指定介護事業者として許可を得る必要があります。

申請をクリアするには必ず法人格であることが条件になります。その上で「人員基準」「設備基準」「運営基準」という3つの指定基準を満たす必要があります。

それぞれの意味合いは、以下の通りです。

「人員基準」は従業者の知識・能力など人員に関する基準

福祉用具貸与の指定・運営には

  • 福祉用具専門相談員を常勤換算で2名以上を配置すること
  • 常勤管理者

が必要です。

「設備基準」は事業所を運営する上で必要な面積や設備についての基準

  • 福祉用具保管設備
  • 消毒設備器材
  • 事務を行う為に必要な広さ、及び利用申し込みの受付・相談などに対応する広さの区画を有すること

以上が必要です。

「運営基準」は事業運営上の基準

  • 利用者の希望・状況に応じた適切な福祉用具の提供
  • 福祉用具の説明、点検、修理など
  • 福祉用具の消毒・保管(委託可)
  • 提供サービスの評価・改善
  • 事故発生時における対応

などの基準を設ける必要があります。

これら全ての基準が満たされていることが、介護保険サービスを提供する事業所として最低限必要となります。

 また、以下のいずれかに該当する時は申請が拒否されます。

  • 法人でないとき
  • 人員基準を満たしていないとき
  • 設備、運営基準を満たしていないとき
  • 禁錮以上の刑を受けて、その執行を終わるまでの者であるとき
  • 介護保険法その他保健医療福祉に関する法律により罰金刑等に処せられ、その執行を終わるまでの者であるとき
  • 指定取消から5年を経過しない者であるとき(指定取消手続中に自ら廃止した者を含む)
  • 申請前5年以内に介護保険サービスに関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき
  • など

    (下線部引用)
    出典元: 介護サービス事業者の指定 p3 – 厚生労働省

    福祉用具貸与の指定申請における書類

     福祉用具貸与の指定申請をする際、各都道府県や保健福祉局に掲載してある申請書類を書き、提出する必要があります。各都道府県や保健福祉局のホームページに申請書類のフォーマットと記入例が掲載されているので、そちらも参考にしてください。

    ここでは、各都道府県が概ね提出を求めている書類について説明していきます。

    書式は各都道府県によって異なりますので、各々ご確認ください。

    1. 申請書
      • 申請開設者の情報
      • 指定を受けようとする事業所・施設の種類
    2. 福祉用具貸与・介護予防福祉用具貸与事業所の指定に係る記載事項
      • 事業所の所在地
      • 管理者の情報
      • 従業者の人数
      • 営業日・営業時間
      • 取扱商品
    3. 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
      • 管理者
      • 専門相談員
      • 従業員
    4. 常勤職員の勤務時間に関する調べ
      • 1日あたりの労働時間
      • 休日
      • 週あたりの労働時間
    5. 収支予算表介護給付金に係る体制等に関する届出書
      • 利用者の見込み数
      • 月平均利用額(1人あたり)
      • 介護報酬受け入れ額
      • 支出見込み

    (下線部引用)
    出典元:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/shitei/11_yougutaiyo.html
    (申請書類様式Excel:128KB– 東京都保険福祉局)

    上記のような内容が各書類の記入事項例となります。

    なお、申請する都道府県によっては事前の研修を申請前に受講する必要があるところがあります。申請する都道府県の情報を確認してください。

    福祉用具貸与の指定申請までの流れ

     福祉用具貸与の指定申請は各都道府県庁で行っています。都道府県によっては新規申請前に研修の受講が必須だったり、事前協議制であったり、都道府県庁ではなく市の自治体が申請窓口だったりするので事業所予定地の都道府県庁のホームページを参考にしてください。

    大まかな流れ以下の通りです。

    1. 事前相談
      ・指定申請を行う前に事前に申請窓口にて相談をすることが必要な都道府県があります。事前に相談を行わないで着手すると、指定されないことになりますのでご注意ください。
    2. 設備着手
    3. 申請
      ・申請に必要な書類に不備がないかを確認して提出してください。
    4. ヒアリング・書類審査など
      ・書類に不備などがあればここで修正や追加の書類の提出が求められます。
    5. 現地調査
      ・事業所に都道府県などの担当者が来て、提出した図面などと実際の事業所に相違がないかチェックします。
    6. 指定
      ・以上の全てをクリアすれば、指定介護事業者として運営ができるようになります。

    指定を受け手から6年毎に指定の申請が必要です。

    また、定期または随時の検査、指導等が入り基準に従った人員配置、適切な事業運営を行なっていないときは、勧告や命令、指定の取消などの処分が下されます。

    常に適切な運営を行なっていくよう努力していく必要があります。

    福祉用具貸与の指定申請おける窓口

     介護サービス事業者が運営する事業所等の所在地により異なります。詳しくは運営予定または運営している都道府県庁のホームページを参考にしてください。

    届出先

    運営する介護サービス事業所の所在地が

    • 全て同一の指定都市内である →指定都市
    • 全て同一の都道府県内である →都道府県
    • 全て同一の市町村内である   →市町村

    運営する介護サービス事業所の所在地が複数の都道府県であり、その都道府県は幾つの地方厚生局管轄区域に所在していますか

    • 2つ以下の地方厚生局管轄区域である →主たる事務所の所在する都道府県
    • 3つ以上の地方厚生局管轄区域である →厚生労働省老健局

    出典元:届出先の行政機関について – 厚生労働省

    地方厚生局管轄区域一覧

    • 北海道厚生局・・・北海道
    • 東北厚生局 ・・・青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
    • 関東信越厚生局・・・茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
    • 東海北陸厚生局・・・富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
    • 近畿厚生局   ・・・福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
    • 中国四国厚生局・・・鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口組、徳島県、香川県、愛媛県、高知県
    • 九州厚生局   ・・・福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

    出典元:届出先の行政機関について – 厚生労働省

        

    福祉用具貸与の指定申請における留意点

    申請の更新

     平成18年4月1日から介護保険法の改正に伴い、新しく介護サービス事業所・施設の指定・許可更新の制度が設けられました。最初の指定・許可から6年後ごとです。

    指定の更新については概ね有効期間満了日の3ヶ月前頃に案内の通知が郵送されます。その案内に沿って更新手続きを進めてください。

     一定期間(6年)毎に、指定の更新を受けなければ、指定の効力が失われます。

    更新には、指定更新申請書、誓約書、役員名簿、決算書、従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表、関係法令を順守する旨の誓約書、管理者等一覧表などの書類を作成し提出する必要があります。
    更新申請書の提出時点の内容を記載して提出してください。

    また、更新手続きとは別に変更届を要する事項について、まだ変更届を提出していないものがある場合は、速やかに然るべきところへ提出してください。

    資格が必要な従業員については、資格を確認するために資格証明書の写しを添付してください。なお、当愛書類には法人の原本証明をつけてください。

    申請がクリアできなかった場合

     福祉用具貸与の指定基準を満たさなかったり、不正な手段で指定を受けたりすると、指導・監査・勧告など時には指定の効力の停止・取り消しになってしまいます。

    その場合は取り消しから5年が経過しないと新たに申請が出来ないので注意してください。

    また、指定基準を破った後の「行政処分等の事務的な流れ」「勧告・命令等」の内容について説明します。

    行政処分等の事務的な流れ
     基準違反発覚→改善勧告→(期限内に勧告に従わなかった時)公表→(正当な理由なく期限内に勧告に係る措置を取らなかったとき)→改善命令・公表→(命令に従わないとき)→指定の効力の全部または一部停止→指定取消等の処分

    勧告・命令等

    • 指定サービス事業者が、指定基準に定める従業者の員数を満たしておらず、又は設備及び運営に関する基準に従って適正な運営をしていないと認めるときは、当該指定サービス事業者に対し、期限を定めて、基準を遵守すべきことを勧告することができる。
    • 指定サービス事業者が期限内に勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
    • 勧告を受けた指定サービス事業者が、正当な理由がなく勧告に係る措置を取らなかったときは、当該指定サービス事業者に対し、期限を決めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命じることができる。
    • ③の命令をした場合には、利用者の適切なサービス選択の機会を確保するため、その旨を公示しなければならない。

    出典元:事業者規制の現状について p18-20

    最後に

     福祉用具貸与指定申請について説明してきました。

    介護保険制度は3年に一度改正が行われます。

    次回の改正は2018年です。この改正で福祉用具貸与に関しても見直しがされる方針です。

    国が商品毎の全国平均貸与価格を公表し、適正な貸与価格を確保するため、貸与価格に上限を設定するとのことです。

    このように、介護保険制度は時代背景によって細かい改正や改定などが行われます。

    介護保険サービスを提供する事業者は定期的に厚生労働省や指定を受けている都道府県・市町村のホームページなどで、最新の情報を確認することをオススメします。

    利用者される方の立場に立って、サービスを提供する事業所がたくさん増えて行くことを願っています。

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