独立開業・起業

看護小規模多機能型居宅介護事業所を上手に経営する方法とは?

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私の事業所経営うまくいってないんだけど、どうしよ…

もう一回、経営戦略や採算について再考したらどう?経営の改善方法とか見つかるかも

そうだね。諦めないで、もう一度調べてみるよ!!

看護小規模多機能型居宅介護事業所の起業をお考えの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

手を取り合う女性たち

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営とは?

看護小規模多機能型居宅介護事業所は、小規模多機能型居宅介護の「訪問」、「通い」、「泊まり」の3つに「訪問看護」が加わったサービスになります。

小規模多機能型居宅介護にできなかった「医療ニーズ」への対応ができることで、病院を退院した後の在宅生活のサポート、病状が不安定な時の在宅生活のサポート、がん末期の対応、家族へのレスパイトケア、相談対応による負担軽減を目的として2012年度に介護報酬改定で創設された新しいサービスです。

当初は「複合型サービス」と呼ばれていましたが、2015年度から「看護小規模多機能型居宅介護」と名称が変更されました。

看護小規模多機能型居宅介護事業所の介護支援専門員が、サービスを一元管理できるため、ご利用者やご家族の状態に合わせて即時対応が可能です。

また、主治医と連携をとり、24時間365日の医療行為もできるのがこの施設のメリットになります。

登録定員は29名以下です。ただし、通い定員は18名以下、宿泊定員は9名以下になります。

主な人員としては、常勤換算2.5以上の看護職員(うち常勤保健師または看護師1以上)、専従の介護支援専門員、その他職員です。

デメリットとしては、ご利用者の居住する市区町村の事業所を利用するのが原則ということ、小規模多機能型居宅介護を利用するより費用は上がるという点です。

しかし、費用の点を踏まえても、医療行為ができいつでも頼れる場所があることは、ご利用者や家族にとっては大きな安心感につながります。

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営戦略とは?

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営戦略として、3点挙げさせていただきます。

指定訪問看護事業所の指定をとり、訪問看護の提供をする

メリットとしては、比較的新しいサービスのため競合が少なく、事業所の体制に対する加算も大きくなることが挙げられます。

保健師、看護師、准看護師を常勤換算で2.5人以上配置すること、一定の条件を満たしている保健師または看護師の常勤管理者、必須ではありませんが理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を必要に応じて配置することなど手厚い人員が必要になってきます。

「喀痰吸引等研修」を修了した介護職員を充実する

喀痰吸引等を実施する訪問介護事業所と連携し、実施計画の作成支援等を行う場合、訪問看護ステーションは、「看護・介護職員連携強化加算」として、250単位/月加算を算定できます。

従業員の離職率を下げる取り組みをする

職場の人間関係が悪い、仕事内容が給与に伴っていない、将来性が見えないなど様々な要因があるでしょう。

しかし、従業員のレベルが上がらない、せっかく職場に慣れた人が辞めてしまえば、また最初から教えなければならずデメリットが多くあります。

これを防ぐためには、職員のレベルアップに向け、研修などに参加する機会を持つことです。

そこに賞与や昇給があれば、ますますやりがいは増します。また、人間関係の良い職場環境を作ることができれば離職率は下がることでしょう。

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営にかかる費用は?

開設パターンとしては、訪問看護ステーションや小規模多機能型居宅介護事業所からの移行、他のサービスを運営する中での新規開設などがあります。

今回は、訪問看護ステーションの併設の施設の具体例を挙げてみましょう。

定員として総定員29名、通い18名、泊まり6名です。建物は既存の法人所有のビルに開設しました。

初期費用として、土地取得、建築工事費9千万円、設備備品整備費が250万円、ランニングコストとして、運営資金が1,300万円になりました。

また、法人設立時、指定申請を取得する際に行政書士や税理士代がかかります。

設備備品整備費は、器・物品、ベッド、デスク、カギ付き書庫、複合機、プリンタ、ロゴや名刺、チラシ作成などがあります。

運営資金は、人件費、光熱費、カーリース、ガソリン代、クリーニング代、備品、印刷費用、消毒液、洗剤、手袋、ペーパー、おむつなどの消耗品費などがあります。

開設資金は地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(ハード交付金)2千万円、地域介護・福祉空間整備推進交付金(ソフト交付金)2百万円の補助金がありました。自己資金は8,300万円でした。

こうした資金繰りと併行して、従業員やご利用者確保を行うことは難しいため、段階を踏んで開設したり、訪問看護ステーションに併設したりする事業所が多いようです。

看護小規模多機能型居宅介護事業所を経営する際の年収はどのくらい?

支出と収入の差が経営者の得られる年収と考えます。

厚生労働省の平成28年度老人保健事業推進費等補助金/老人保健健康増進等事業
「看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営実態に関する調査研究事業報告書」

によると、年間の収益と費用をみてみると、平均収益は8,336万円、平均費用は7,624万円です。

なお、収益については「5千~6千万円」と「7千~8千万円」が最も多く18.3%、費用についても同様に「5千~6千万円」と「7千~8千万円」が最も多く19.7%でした。

年間の利益(収益-費用)をみると、平均利益は712万円です。

また、訪問介護の有無や、「喀痰吸引等研修」を修了した介護職員の有無、離職率によっても変動します。

年間利益(収益-費用)をみてみると、「訪看あり」では平均利益1,022万円、「訪看なし」は平均利益26万円。

「喀痰吸引等研修」を修了した「介護職員あり」では平均利益752万円、「介護職員なし」では平均利益332万円。

離職率が「低い」では平均利益420万円、「高い」では平均利益351万円になります。

この結果から、サービスを向上させることにより収益がかなり変わってくることがわかります。

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営は採算が取れる?

開設から半年から4年目にかけて、年次を経過するごとにご利用者数が安定し黒字になる傾向が高くなります。

訪問看護の有無別に、開設半年~開設2年目まででは、「訪問看護あり」の方が「訪問看護なし」よりも黒字の割合が高くなります。

どのような会社や施設でも同じことが言えますが、経営者が経営の安定化に向けた取り組みをすることによって黒字になりやすいと考えられます。

そのために考えなければならないのは、まずご利用者の確保です。

中でも、要介護度の高いご利用者に利用してもらうと基本報酬や加算が大きいので収益につながります。

しかし、人数が多いと、スタッフの負担が増えると共に事故にもつながりかねないため、バランスには配慮が必要です。

また、指定訪問看護事業所としての訪問看護の提供、地域で連携して取り組みをすることが大切になります。

施設や病院、診療所との平常時からの連携、営業などの関係作りも必要となります。

収益が思うように上がらない場合は、コスト削減に目を向けてみるのも良いでしょう。開設時における既存の建物の利活用、同一グループや法人による消耗品等の一括購入をすることにより、費用が抑えるといった工夫も大切です。

こうしたことから、看護小規模多機能型居宅介護は、工夫すればするほど採算は取れると考えられます。

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営改善方法は?

看護小規模多機能型居宅介護事業所の経営が上手くいかなかった場合は、まず原因を追究し、改善策を考えましょう。改善点の例を3点挙げます。

ご利用者の確保をする

そのために、ケアマネジャーを増やしましょう。ケアマネジャーに研修を受けてもらい、看護小規模多機能型居宅介護でのケアマネジメントができるようにすると、必然的にご利用者確保につながります。

また、事業所のケアマネジャーが、他事業所のケアマネジャーに看護小規模多機能型居宅介護の特徴を説明してもらうようにして、連携を取れるようにすると、ご利用者確保につながります。

施設や病院、診療所等との連携を深める

大学病院、総合病院からの研修依頼を積極的にリサーチし、看護師を対象とした研修を行いましょう。

こうした研修を行うことで、病棟の看護師とパイプを作れたり、看護師と直接連携できたりというメリットがあり、在宅への理解が進みます。

関係性が深まれば、緩和ケア病棟から看護小規模多機能型居宅介護へ移動して、利用されるパターンが多くなります。

難病を専門としている医師との連携を取る事で、最初から看護小規模多機能型居宅介護を利用するように、患者様に紹介していただけるというメリットもあります。

スタッフへの配慮で離職率を下げる

スタッフの負担が増えすぎないように、通いと泊まりの利用の構成について、要介護度の別にバランスを配慮します。事業所の方針として、在宅と訪問を重視します。そして泊まりはレスパイトケアとすることにします。

その方針をご家族の方に理解してもらった上で、施設を利用していただくようにすることで、スタッフの負担を減らすことができます。

看護師はなるべく訪問にでてもらい、残っている介護職は、夜勤を任せられるように育成された人材にすることで、「通い」と「泊まり」双方をより多くの方にご利用いただくことが可能になります。

また、ご利用者も介護度の高い方を入れると、報酬や加算が高くなるので良いでしょう。

まとめ

看護小規模多機能型居宅介護は、まだまだ施設の数が足りていません。そのため、競争が少なく、パーキンソン病などの付き添いが必要な疾患をもった方には必要不可欠な施設です。

今後ますます高齢化社会が進行していく中で、訪問看護ステーション、小規模多機能型居宅介護など、多くの形態がある事業者のどれが支持を集めるでしょうか。

また、ご利用者の立場で考えれば、事業所のどういったところを重要視し、どういったことに対してサービスを提供すればご満足いただけるでしょうか。

もし開業をお考えの場合、競争率が低く医療ニーズが高まっていることで、採算の取れやすい看護小規模多機能型居宅介護を検討されてはいかがでしょうか。

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