独立開業・起業

訪問介護を立ち上げる資金の工面方法とは?

投稿日:2017年7月19日 更新日:

介護業界の需要が増えているのになかなか供給が追いついていない現状があるかと思います。
介護事業所の立ち上げを目指している方のお役に立てられるよう、この記事では訪問介護を立ち上げるための必要な資金や、その資金を調達する方法について紹介していきます。

せっかく起業しても途中で資金のやりくりに困ってしまっては元も子もありません。
そうならないために余裕を持った資金調達をしていき、事業を成功させていきましょう。

訪問介護立ち上げ資金

訪問介護を立ち上げ時にどんなものに費用がかかる?

家賃

費用がかかる最たるものは、事業所となる物件ではないでしょうか。
訪問介護は訪問先に出て業務を行うため、事業所にいることはあまりありませんが、訪問した記録を残したり、スタッフが情報共有を行ったり、ケアマネジャーからの依頼を受けるための窓口となる場所は用意しなければなりません。

事業所はどんな場所がいいのか?

事業所として借りる場所はそれほど広い面積は必要ありませんので、事業所として借りられる物件で十分です。

しかし、あまりに住宅地から離れた場所だと訪問をするスタッフの移動が困難になってしまいます。

家賃が安いからといって移動にかなりの時間をかけてしまうのは訪問スケジュールの効率が悪くなり、収入を得るための稼働率が悪くなる可能性もあるので、場所の選定は重要になってくるでしょう。

家賃の安い物件の方がいいのか?

家賃は安い方が今後、事業所を借り続ける上でコスト削減に繋がります。
しかし、家賃の安い物件の方が運営を続けていく上ではいいですが、事業所の見た目もある程度は整っていた方がケアマネジャーも利用者も安心して利用ができると思います。

自宅が使用できる場合は使用するのも効果的

自宅に事業所として使える十分なスペースがある場合は活用するのもいいでしょう。

求人費

事業を継続する上で必要不可欠なのは働いてくれる人材です。
介護業界は、人手が足りていないという事態がついて回っていますが、やはり求人の費用はコストがかかります。

軌道に乗り収益が見込めるまでは、できる限り求人費は抑えたいですね。

設備、必要物品費

訪問介護は事業所ではなく、利用者の自宅や病院の付き添いなど外での業務が多いため、事業所内の設備はあまり整える必要はないでしょう。
管理者やサービス提供責任者がデスクワークを行うための設備や、スタッフが介助を行う上で使用する消耗品が主な必要物品となります。

人件費

訪問介護の立ち上げをして軌道に乗るまでの間も、在籍しているスタッフにはもちろん給与を支払わなければならないので、立ち上げの資金の中に含んでおいた方がいいでしょう。

訪問介護を立ち上げる際に用意しておくべき資金はいくら?

訪問介護を立ち上げるならば、少なくとも1000万程度は必要とみていいと思います。
ただ、この金額は全て自己資金である必要はありません。

しかし、融資を受ける場合でも、融資を受けるために自己資金は持っていた方が安心です。
融資の制度によっても変わってきますが、自己資金があった方が融資の審査には通りやすく、高額で融資を受けたい場合も信用が高いので受理されやすいでしょう。

事業が軌道にのるまでの資金

事業所は立ち上げただけで終わりではありません。
立ち上げたならば収益が出るための運営をしていき、事業を軌道に乗せることが目標となります。

その間も事業所を継続させるための費用、在籍しているスタッフの人件費はかかってくるので、それらを払いつつ訪問依頼を受注して軌道に乗せていかなければなりません。

介護報酬が入るまでの資金

立ち上げ時から事業が軌道に乗っていたならば嬉しいことです。
しかし、事業所にとっての収益でもある介護報酬は国から入金されるのが約2カ月後なので、その間はどんなに訪問件数をこなしていても無収入の状態が続きます。

それでも運営にかかる費用は払うことになるので立ち上げ資金に入れておくのがいいでしょう。

人件費

訪問介護には人員基準があり、訪問介護の人員基準は管理者1人、サービス提供責任者1人、合計で常勤の訪問介護員が2.5人です。
施設にもよっても変わってくると思いますが、この人数の配置で1カ月分の人件費は約100万というところでしょう。
これは多めに見積もっている数字ですのでもう少し低額の可能性もあります。

資金調達方法

日本政策金融公庫の創業融資

政府が創業者のために融資をしてくれる特別貸付のことです。
創業融資はまとまった金額を低金利で借りることができ、創業者にとってはありがたい制度です。

ただ、融資を受けるためには審査があるので通らなければ融資は受けられません。

融資はどうしたら通りやすい?

融資をする側が重視をしていることは、貸した相手がきちんと確実に返済を行える者なのかということです。

融資を相談する際にこれから創業する会社はどのようなもので、どのニーズに答え、どれぐらいの利益を上げられるものか。利益を出してどれぐらいの期間で返済をしていける予定なのか、それを説明しなければいけません。

一方で、融資が難しくなる条件もあります。
それは、融資を申し込む事業者や経営に携わる人が過去に自己破産の経験や、税金滞納をしているなど金銭トラブルがあると返済能力を疑われてしまい、融資が受けにくくなってしまいます。

担保がある場合と無担保の場合、保証人の有無

この融資は担保がなくても融資を受けることができます。
もちろん担保があった方が融資は受けやすいでしょう。

担保がある場合は、新規開業資金制度という創業融資よりも金利が安い融資を受けやすくなります。
これは保証人の有無でも同じです。
担保がない場合は無担保・無保証人の新創業融資制度というのがあり、こちらも安い金利での融資となっています。

銀行からの融資

融資は銀行から受けることもできます。
ただし銀行は無担保、無保証人の融資は断られる確率が高いものです。
融資の審査が厳しく、確実な返済能力がある会社でないと融資は難しいと言えます。

そのため返済能力を確約できない立ち上げたばかりの事業所では信用がなく、融資は受けにくいでしょう。
もし、銀行からの融資を受けることができれば低金利での融資となるので長期での返済が安心してできます。

助成金

介護事業所に特化した助成金を受けられるものは少ないですが事業を立ち上げ、運営をしていく上では活用できるものは活用した方がいいでしょう。
確実にもらえるものではありませんが可能性があるものを紹介していきます。
また、ファクタリングサービスについても紹介していきます。

試行雇用奨励金

ハローワークが紹介する人材を3カ月間の試用期間の中で雇用することで助成される奨励金です。
雇用している間は一人当たりの給付を受けることができます。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

障害のある人、母子家庭の母、60歳以上の高齢者など就職をする上で難しい面があるとされている労働者の雇用をした場合に受け取れる助成金です。

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

65歳以上の高齢者を雇用した場合の給付になります。
訪問介護では生活援助を望む利用者によっては家事に慣れた熟年層のスタッフを好むこともあるため、活用する機会もあるかもしれません。

ファクタリングサービスについて

事業を立ち上げ、事業がどんなに軌道に乗っていたとしても収益金である介護報酬が支払われるのは約2カ月後のことです。
その間は自己資金と融資を含めた資金の中での運営となりますが2カ月間のやりくりが心配、または急な出費が必要になることもあるでしょう。

その場合は、介護報酬を早期に受けられる介護ファクタリングサービスというものがあります。
売掛債権をファクタリングサービス側に買い取ってもらうことで、売り上げの介護報酬を全額ではありませんが1週間以内という早期に受けられるサービスです。

一部残っている介護報酬については、約2カ月後に振り込まれることになっています。
このサービスを受けられる際には担保や保証人は不要ですので、立ち上げ時には活用していくのもいいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この、訪問介護の立ち上げや資金の工面方法の記事が参考になった方はシェアをしていただければと思います。

専門家監修:矢野文弘 先生

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