独立開業・起業

訪問リハビリステーションを開設するために必要な知識を丸ごと解説!


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今の作業療法士の仕事の幅をもっと広げたいんだけど、どうしようかなぁ

ほうほう。では、開業してみてはどうじゃ。自分で運営したり経営に携わることで、より様々なスキルが身につくぞ

開業か~。ちょっと不安だけど早速調べてみよう!!

政府の施策として、これからは地域で高齢者を支え、在宅で高齢者を看護するという方向に移行しています。

今回は、訪問リハビリテーションの開設を考えている方のために開設の際の手順や基準、申請時に必要な書類や開設の方法などをご説明します。

訪問リハで起業を考えている方は是非、参考にしてください。

リハビリ

訪問リハビリテーション開業でいくら稼げるの?

訪問リハビリテーションとは?

訪問リハビリテーションとは、通院でリハビリをすることが難しい人に対して、自宅で専門職がリハビリを行うことです。

リハビリを行うことが出来るのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士です。

訪問リハビリテーションを提供できるところは、医療機関、診療所、老人保険施設です。

提供主体が医療機関の場合

一般に介護保険が利用することができる人の場合、介護保険での訪問リハビリが優先されます。

医療保険による訪問リハビリが利用されるのは、厚生労働大臣が定める末期の悪性腫瘍や多発性硬化症、重症筋無力症、筋委縮性側索硬化症などの特定疾患による疾患の場合です。

介護老人保険施設の場合

介護老人保険施設の場合、通院が困難であり、月に一度の訪問診療を行っていれば、訪問リハビリテーションの利用は可能ですが、介護保険の利用者は急性憎悪時以外の利用が出来ません。

また、月一度の訪問診療は、指示を受けた医療機関病院やその老健の医師先生が行っていなければ訪問リハビリの算定が出来ません。従って、介護老人保険施設で訪問リハビリを算定しているところは訪問リハビリ全体の2割弱です。

訪問リハビリステーションは儲かっているの?

訪問リハビリスタッフの平均年収は?

訪問リハビリは多くの事業所が月80時間を超えると、訪問スタッフが時給になります。

1日5件だと年収に換算すると400万円程で、1日7件だと年収600万円以上にもなります。

もし、完全出来高制だったら、1件4,000円とすると1日あたり8件回ったとします。

すると、1日当たり32,000円となり、月曜日から金曜日まで5日間、1ヶ月20日だと1ヶ月あたり640,000円になります。手取りで540,000円くらいになります。

1日5件ぐらいだと1ヶ月で、手取りで400,000円くらいです。

ですから、1ヶ月300,000~700,000円くらいになるでしょう。今後介護報酬が改定となると下がる可能性もあります。

事業として展開した場合の収支差

利用者が多く、訪問件数が多い場合は当然ながら収益も高いです。

事業所として開設した場合2ヶ月間は赤字経営になります。それには人件費、家賃、備品代がかかるからです。

PTを3人雇ったとしたら、3人の給料が発生するので、一人30万円とすると、90万円になります。

それ以外に家賃、備品代など最低100万円は赤字になると考えて良いでしょう。

利用者が一人あたり8人程にならないと赤字を解消することが難しくなります。

すると、自転車操業になりかねません。2年以上、訪問リハビリの事業所として続けられるような見通しが必要です。

訪問リハビリテーションの開業手順

訪問リハビリテーションを開設するためには次の手順をふみます。

法人としての設立

訪問リハビリステーションを立ち上げるためには法人格を取得する必要があります。

一般に訪問リハビリテーション事業は病院、診療所などを開業しているので、既に法人格になっている場合が多いです。

訪問リハビリテーション事業、介護予防リハビリテーション事業という文言を定款の文面に入れる必要があります。

事務所の設立

訪問リハビリ事業所を立ち上げるためには事務所が必要です。

スペースは利用申し込みに必要な相談スペースを設ける必要があります。個人情報保護のために鍵付きの書庫も必要です。

人員の確保

指定訪問リハビリステーション事業者は、事業所ごとに理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の訪問リハビリを行う人員を必要数雇う必要があります。

事務所の備品

開設時には、相談スペースの机や椅子、訪問リハビリを行う人員の作業机、パソコン、電話等が必要です。他の事業所や診療所等が併設している場合、FAXや電話は兼用できます。

感染症予防のために手指消毒のための洗面所等の設備を設ける必要があります。すでに他事業所で開設している場合、付設の洗面所と兼用でも構いません。

指定申請書類の準備

  • 指定居宅サービス、指定介護予防サービス事業者申請書
  • 訪問リハビリステーション・介護予防訪問リハビリステーション事業所の指定に関わる記載事項(附表)
  • 病院・診療所の使用許可証、老人保険施設の開設許可の写し
  • 運営規程について
  • 利用者の苦情を処理するために講ずる措置の概要
  • 介護保険給付等に関わる体制等状況一覧表
  • 役員名簿
  • 介護保険法第115条の第2項各号に該当しない旨の誓約書
    などが必要です。

老人保健施設が開業する場合は、次の申請書類も必要です。

  • 寄附または寄付行為のしるし(事業目的に介護事業が入っていること)
  • 商業登記簿謄本の原本(履歴事項全部証明書)
  • 従業者等勤務形態及び勤務体制一覧表(理学療法士等の就業規則の添付)
  • 資格証の写し
  • 平面図(事務室と相談のためのスペース)
  • 写真(事業所の建物外観、事業所入り口、事務室、相談室)

申請先は各都道府県等が行っていますが、申請する書類は都道府県等によって違いますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。

例えば、東京都は東京都福祉保健財団で、高槻市の場合、申請先は高槻市健康福祉部福祉指導課になります。

申請の期間は、都道府県によって違いますが、高槻市の場合は指定を受ける前々月の21日から前月の10日までに申請を提出する必要があり指定日は1日です。大体3ヶ月前から申請を受け付けています。

訪問リハビリテーションの開設要件

訪問リハビリテーションの開設するための要件は次のようになります。

  1. 申請者は法人であり、定款の目的欄に当該事業の記載があること
  2. 人員基準、設備基準、運営基準の指定基準を満たしていること

人員基準とは

指定訪問リハビリテーションを行う事業所ごとに指定訪問リハビリテーション提供
にあたる専門家(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)を置かなくてはならない

設備基準とは

  • 事務室は利用申込の受付や相談等に必要なスペースと鍵付きの書庫が置けるスペースが必要
  • 感染症予防に必要な手指を洗浄するための洗面所等の設置が必要でこれは病院、診療所等と兼用でも構わない
  • 訪問リハビリテーション開設は病院、診療所、老人保険施設であること

運営基準について

  • 訪問リハビリテーション事業所は、病院、診療所、介護老人保険施設であること
  • 運営規程を定めていなければならない
    1. 事業の目的及び運営の方針
    2. 従業者の職種及び員数、職務内容(常勤、非常勤の別)
    3. 営業日及び営業時間
    4. 指定訪問リハビリテーションの提供方法、内容及び利用料その他の費用の額
    5. 通常の事業の実施区域
    6. サービス利用にあたっての留意事項
    7. 相談、苦情対応、事故処理、緊急時等における対応方法
    8. その他の運営に関する重要事項等
    9. など

※指定基準は各都道府県によって異なる場合があります。申請の際は必ず各自治体のサイトを確認するか各自治体にお問い合わせください。

*訪問リハビリテーション事業所については、病院・診療所又は介護老人保健施設の管理者が兼務するため管理者を設ける必要はありません。

*医療機関か介護老人保健施設以外の開業は、原則的にできません。(被災地においては、限定的に認められている場合もあります)

訪問リハビリテーションの開業資金

必要な開業資金には次のようなものがあります。

法人設立費

新規に法人を設立する場合には、費用がかかります(法人の種別や規模によって異なります)。

物件取得費

事務所を構えるためのスペースは、病院内や診療所内に設置することが多いですが、訪問リハビリとして事務所を借りる場合は、月々20万くらい必要でしょう。

内装工事費

病院や診療所、介護保険施設で開設する場合は、1つのスペースをきれいにするだけで良いですが、訪問リハビリ単体で立ち上げる場合は、古い建物の内装であれば一坪当たり20~30万円かかりますが、賃貸で綺麗な建物なら内装は必要ないでしょう。

設備・備品費

机や椅子、パソコン、電話、FAXなどの費用がかかります。借りた事務所にはほとんどトイレがついています。ない場合は洗面所を設置し、基準を満たさなければいけません。

車輌費

従事者のための車かバイク、自転車が必要です。軽1台100万円として100×人数分の車輌費、バイク1台20万×人数の車輌費が必要です。バイクや自転車を利用している所が多いです。

人件費

従事者の人件費は最初の月から必要です。一人30万円とすると30万円×人数分が必要です。

求人広告費

最初はリハビリの従事者を募集しなくてはなりません。ハローワークだけでは充足しない場合も多いです。人材紹介のwebサイトで2週間掲載すると数万円掛かります。

指定申請手数料

新規に指定を申請する場合は2万円かかります。(一部地域では多少金額が異なります。)

事業所設立をするためには代行サービスを行っている媒体や企業が沢山あります。そちらの費用は次のようになっています。

・代行会社
訪問リハビリ指定申請は10万円~15万円の諸費用が必要です。会社設立に関しては、代行サービスが多くあるので、その場合の代行費用など確認してください。

*指定申請手数料は、各都道府県・自治体によって異なります。詳しくは、各都道府県・自治体のサイトをご確認ください。

訪問リハビリテーション開業の資金調達方法

公的融資

日本政策金融公庫からの貸付

新創業融資制度(無担保、無保証)

新規の人や事業を始めて間もない人に無担保で1500万円まで融資を受けることができます。

新規開発資金

新規事業や事業を始めて間もない人に対して、7,500万円(うち運転資金で4,800万円)まで融資を受けることができます。

女性、若者/シニア起業家資金

女性や30歳未満の人、55歳以上の人が7,500万円(うち運転資金として4,800万円)まで融資を受けることができます。

※公的融資の中には、各自治体が独自で融資保証を行っているものもあります。日本政策金融公庫よりは少額ですが、比較的借りやすくなっています。詳しくは各自治体や都道府県のサイトをご覧ください。

銀行等からの融資

銀行からの融資の場合、新規事業の場合、今までの取引の状況などを見てからでないと融資が難しいことが多いです。

補助金や助成金を受ける

  • 受給資格者創業支援助成金
  • 中小企業基盤人材確保助成金
  • 特定就職困難者就職助成金

補助金は、会社を設立し、従業員を雇用した後、6ヶ月~10ヶ月後にしか支給されないので、開設時には支給されません。

訪問リハビリテーション開設の際の留意点

  1. 開業してから2ヶ月は赤字である
  2. 介護報酬は次の月の10日までに請求して入るのは、サービス月の2ヶ月後に入ります。

    しかし、人件費や家賃などは必要なので運転資金は少なくとも3ヶ月分は準備しておく必要があります。

  3. 訪問リハビリステーション事業所は医療機関・老人保険施設以外では開業申請が出来ません。
  4. 訪問リハビリを実施する場合、医師からの指示書である訪問リハビリの指示書が必要です。

まとめ

訪問リハビリステーションを開設するには、定められた人員基準や設備基準、運営基準を満たさなければなりません。

他の事業所と違い、訪問リハビリステーションは医療機関や老人保険施設でしか開業が出来ません。

最初の3ヶ月間は赤字覚悟で運転資金は3ヶ月くらい準備しておかないと回らなくなります。

日本政策金融公庫や自治体独自の公的融資がありますので当面の運転資金を準備す

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