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看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の指定基準

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効率的かつ効果的なサービスとされている看護小規模多機能型居宅介護。
2015年に名称変更されたことでも注目されていますが、開業を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、この看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の指定基準について説明していきます。

看護

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の指定基準とは?

看護小規模多機能型居宅介護事業者として事業を行っていくには、自治体から指定を受ける必要があります。
その際の要件として定められたものが、指定基準です。

看護小規模多機能型居宅介護では、幅広いサービス提供を行うため、他のサービス種と比較して指定基準が細かく定められています。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の指定基準を守らなかった場合

指定基準を守らなかった場合、指定を取り消されることもあります。
利用料の不正受給などの違反が発覚し、指定が取り消された後に再び指定を受けたいと思っても、指定を受けることは難しいでしょう。

違反が発覚するタイミングは、主に実地指導と監査です。
実地指導は突然行われるものではなく、通常は実施の2週間程度前に自治体の担当者から通知があった後に日時が決定します。
一方、監査は自治体に対して利用者やご家族などの関係者による相談や苦情申し立てがあった場合などに行われます。

また、指定には期限があり、6年ごとに更新申請をしなければなりません。

つまり、指定申請時のみ指定基準を満たしていれば良いわけではなく、常に基準を満たした上で、利用者に良いサービスを提供できるような環境整備をする必要があります。

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の指定基準

  • 人員基準
  1. 日中
    • 通いサービス提供:利用者3人に対し1人以上(常勤換算)
    • 訪問サービス提供:2人以上(常勤換算)
    • 人員配置は各サービスに固定にせず、柔軟な業務遂行が可能
    • 通いサービス及び訪問サービス提供のうちそれぞれ1人以上は保健師、看護師又は准看護師
  2. 夜間・深夜
    • 泊まりサービス及び訪問サービス提供:2人以上(うち1人は宿直勤務可)
      (泊まりサービスの利用者がいない場合、訪問サービス提供のために必要な連絡体制を整備しているときは、夜間・深夜の時間帯を通じて宿直勤務及び夜間・深夜の勤務を行う従業員を置かないことができる)
  3. 従業者のうち1以上が常勤の保健師又は看護師
  4. 従業者のうち保健師、看護師又は准看護師は常勤換算法で2.5人以上
  5. 訪問看護事業者の指定を併せて受け、同一事業所で一体的な運営をしていれば、訪問看護ステーションの人員基準(看護職員2.5人以上)を満たすことにより④の基準を満たすものとみなす
  6. 「認知症対応型共同生活介護事業所」「地域密着型特定施設」「地域密着型介護老人福祉施設」「指定介護療養型医療施設」を併設する場合、一体的な運営をしていれば兼務可能(同一時間帯で職員の行き来を認める)
  7. 必要な研修を修了し、居宅サービス計画等の作成に専従する介護支援専門員(非常勤可、管理者との兼務可)を置く
  8. 介護支援専門員は利用者の処遇に支障がない場合は、事業所・併設施設等の他の職務に従事できる
  • 管理者
    1. 常勤専従(管理上支障が無い場合は、事業所・併設施設等の職務に従事できる)
    2. 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、介護老人保健施設、小規模模多機能型居宅介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所等の従業員又は訪問介護員等として、3年以上認知症である者の介護に従事した経験があり、厚生労働大臣が定める研修(認知症対応型サービス事業開設者研修)を修了した者又は保健師もしくは看護師・代表者
    3. 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、介護老人保健施設、小規模模多機能型居宅介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所等の従業員又は訪問介護員等として認知症である者の介護に従事した経験、又は保健医療サービスもしくは福祉サービスの経営に携わった経験があり、厚生労働大臣が定める研修(認知症対応型サービス事業管理者研修)を修了した者又は保健師もしくは看護師
  • 登録定員・利用者定員
    1. 登録定員:25人以下
    2. 通いサービス利用定員:登録定員の2分の1から15人まで
    3. 泊まりサービス利用定員:通いサービスの利用定員の3分の1から9人まで-

(出典:厚生労働省 複合型サービスの指定基準

看護小規模多機能型居宅介護の人員基準で注意すべきは、日中や夜間における常勤看護師の数です。
サービス利用者が一気に増えた時や夜間の利用者がいなくなる、あるいは増えた時などは気をつけましょう。

  • 設備基準
    1. 居間および食堂は、機能を十分に発揮しうる適当な広さを要する
    2. 宿泊室
      • 個室の定員:1人(利用者の処遇上、必要と認められる場合は2人)
      • 個室の床面積:7.43㎡以上(病院または診療所の場合は6.4㎡以上(定員1人の場合に限る))
      • 個室以外の宿泊室:合計面積が1人当たりおおむね7.43㎡以上で、プライバシーが確保された構造
  • 立地
    家族との交流の機会の確保や地域住民との交流を図る観点から、住宅地に立地する
    • 運営基準
  • 主治医との関係
    1. 常勤の保健師又は看護師は、主治医の指示に基づき適切な指定複合型サービス(保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下「看護師等」という。)が利用者に対して行う療養上の世話又は必要な診療の補助に限る。以下「看護サービス」という。)が提供されるよう、必要な管理を行う
    2. 看護サービスの提供の開始に際し、主治医による指示を文書で受ける
    3. 主治医に複合型サービス計画書及び複合型サービス報告書を提出し、看護サービスの提供に当たり主治医との密接な連携を図る
    4. 複合型サービス事業所が病院又は診療所である場合には、主治医の文書による指示及び複合型サービス報告書の提出は、診療記録への記載をもって代えることができる

(出典:厚生労働省 複合型サービスの指定基準

看護サービスを提供する上で、医療的な判断を要する場合があります。
そのため、緊急時に速やかに主治医と連絡を取れる状態にしておくことが望ましいです。

  • 複合型サービス計画書及び複合型サービス報告書
    1. 管理者は、介護支援専門員に複合型サービス計画書の作成に関する業務を、看護師等(准
      看護師を除く。)に複合型サービス報告書の作成に関する業務を担当させる
    2. 介護支援専門員は、看護師等と密接な連携を図りつつ複合型サービス計画書の作成を行う
    3. 介護支援専門員は、利用者の心身の状況、希望と環境を踏まえ、他の従業者と協議の上、援助の目標、目標達成のための具体的なサービスの内容等を記載した複合型サービス計画書を作成する
    4. 計画書を基本としつつ、利用者の日々の様態、希望等を勘案し、随時適切に通いサービス、訪問サービス及び宿泊サービスを組み合わせた介護を行う
    5. 看護師等(准看護師を除く)は、訪問日、提供した看護内容等を記載した複合型サービス報告書を作成する。

(出典:厚生労働省 複合型サービスの指定基準

提携する医療機関や福祉施設、保健施設との関係を計画書に記載します。
また、人員基準で定められている常勤看護師の労働環境などを確認するための計画書も作成しましょう。

  • 緊急時等の対応
    1. サービス提供時に利用者に病状の急変が生じた場合は、臨時応急の手当を行う(従事者が看護師等である場合)とともに、速やかに主治医又は協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じる

(出典:厚生労働省 複合型サービスの指定基準

緊急時の対応については、マニュアルを整えておきましょう。
また、利用者に対するサービスの説明文書にも、体制や緊急時の対応について記載するのも良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
看護小規模多機能型居宅介護は、サービスが幅広いため、指定基準も細かく定められています。
特に、流動性の高い人材には注意が必要です。
急に退職者が続いたことが原因で人員基準を満たせなくなっては大変です。

あらゆるリスクを考え、事業運営をしていきましょう。

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