独立開業・起業

介護事業をNPO法人で設立するには?

投稿日:2017年7月18日 更新日:

介護事業の開業時には、法人形態として営利法人(株式会社・合同会社など)と非営利法人(NPOなど)か選べますが、どちらの形態を選んだほうが、あなたが考える事業に適しているか検討したことはありますか?

ここでは、NPO法人で開業する方法や、メリット、営利法人と比較した違いなどを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

NPO

介護事業をNPOで設立する流れとは

NPOとは、日本語に訳すと特定非営利活動法人のことを指します。非営利団体に法人を付与したもの、それがNPO法人と言います。ある一定条件を満たすことでNPO法人が設立できるようになり、国や都道府県においても支援に力を入れて取り組んでいます。そこで、どのように設立していくかどうか簡単にまとめてみましたので参照ください。

1. 設立発起人会

NPO法人を設立する関係者が集まり話し合いを行います。主に、必要事項を取り決める様式で、正式な議会進行は必要ありません。

2. 設立総会

NPO法人を設立する発起人が集会で決定した事項をNPO法人役員となる人に承認してもらいます。ここでも正式な議会進行は必要ありません。

3. 各種書類作成

NPO法人による設立認証申請書、設立趣旨書、宣誓書、事業計画書、就任承  諾書、収支計算書など書類作成を行う。作成後、公証人役場で確認してもらい認証を受けます。

4. 認証申請

窓口に行きNPO法人設立認証申請書を提出、形式に不備が無ければ受理されます。

5. 設立登記

認証がおりると認証書が交付されますので、約2週間以内に事務所所在地を決め、法務局に行きNPO法人の設立登記をします。

6. 法人設立後の届出

NPO法人登記後、延滞なくNPO法人設立登記完了届を提出します。

NPOで介護事業を開業するメリット

NPO法人は会社法人と同様に法人組織のため、個人で事業展開していくよりも信頼度が増し、認知しやすい傾向になります。以下のメリットがあげられます。

  • 社会的信用が高まる
  • 倒産しても責任の重さが違う
  • 会社の相続税がかからない
  • 継続的に存続できる
  • 決算期を自分で決められる
  • 経費の範囲が広い

など、NPO法人で得られるメリットを享受することが可能です。他にもいくつがありますのでご紹介します。

資本金

NPO法人の場合、極端な話資本金が0円でも起業は可能になります。そもそも、資本金という概念がないためです。しかし、資本金という準備金が無い場合、いかに事業を動かしていくのか、そして設立後からの数ヶ月間の資金を準備しておくのがNPO法人を成功させるポイントとなっています。これは極端な例ではあり、出来るならば事前に資金を調達し準備しておくことが最善です。

よくNPO法人のイメージとしてボランティア団体、社会貢献の団体、儲けが無いなとのイメージを持っている人がいます。まず、NPO法人は社会的信用、非営利的なものという考えからも、設立するだけで一般的に認知度をもてます。これは株式会社や有限会社では得ることの出来ないものです。

節税

一般的の会社と比較し節税できることが可能です。例えば、株式会社や合同会社は売り上げから経費を引いた金額に法人税がかかってきます。しかしNPO法人の場合は、税法で収益事業と定めている場合には、税金の減免申請の手続きをしていれば税金はかかりません。NPO法人で運営する場合、少し工夫をすることで全く税金がかからないということも知っておいて下さい。

介護事業をNPOと営利法人で開業する場合の比較

設立の手続き

NPO法人は、設立登記前に認証を受ける必要があります。認証とは、簡単に言うと役所に活動内容に問題は無いかどうか?役員に欠格要件にあてはまっていないかどうかを確認する作業になります。認証手続きをすることで、NPO法人は何の問題もありません。設立可能という証明書にもなります。法務局に設立登記を行うことで、正式にNPO法人が出来ることが可能なのです。

NPO法人は設立するのに最低で4ヶ月程度かかります。実際に認証の書類を作成し、登記手続きにも1ヶ月程度の時間を要します。事前準備をして自分が設立するタイミングをみたとしても、書類にミスがあったりすると更に遅くなってしまう可能性があるので、期間にゆとりをもって取り組む必要があります。また、会社の場合には認証の手続きは不要で登記申請をすれば設立手続きが完了します。

収益性

NPO法人は特定非営利活動となるため、収益がない。収益を上げてはいけない。と誤解されることがあります。非営利とは事業で得た利益は出資者同士で分配してはいけません。活動から出た収益は事業展開に還元するという意味があります。利益を自分たちで分配するのか、事業の為に還元するのかが会社組織と大きな違いです。

一般的に、会社組織というのは経済的利益を目的とします。一方NPO法人は、社会的利益が目的で設立すると考えます。この考え方の違いが、事業活動の動向に大きな違いを生み出すのです。

基本的に社会組織は、経済利益の為に出資者の意見を尊重し大きく反映していきますが、NPO法人においては、広い範囲で社会のニーズなどが基準となります。

人員の集まりやすさ

NPO法人は設立時に最低でも10人の社員が必要となります。その人数未満になると法人を設立することが出来ません。内訳としては理事3人以上、監事1人以上が必要です。入会に関しては社員の入会規制というものが一切ありません。入会したい。という意思があれば受け入れることを前提としまう。拒否は出来ないと考えでいたほうがいいです。一方で、一般社団法人の場合は2人となっています。規定として理事1人いれば設立可能となります。人員の受け入れに関しては一定の入会規制がありますので調べてみましょう。

営業のしやすさ

NPO法人、一般社団法人などの非営利法人は設立に最低2人〜10人を要します。介護事業では共同経営はあまり望ましくありません。時には素早い判断が必要となりますので経営方針などを決めておきましょう。介護事業も組織が軌道に乗るまではトップダウン方式を用いるのもいいと思います。合同会社においては、代表者1人が基本です。

資金繰り

NPO法人の場合、登記申請の収入印紙などが不要となっている為、もし自分で手続きを行ったとしても交通費程度の負担で賄うことが出来ます。

株式会社の場合、登記の際に収入印紙が最低でも15万円分必要となります。比較的経費がかからないとされる合同会社でも収入印紙が4万円必要とされます。他に登記申請代として別途最低6万円かかることとなります。よって自身で全ての手続きをした際には株式会社は24万円ほど、合同会社で10万円ほどかかると予測されます。

まとめ

NPO法人で介護事業を展開していく場合、一般的な世間のイメージや認知というものが経営していく中で大きな形になると思います。基本的には都道府県や市区町村から認定を受けたものであるため、安心感を抱くことができます。運営する面でも、求人やボランティアも集まりやすい傾向にあります。設立する際には事前に申請書などを作成、提出する必要があり、会社設立などよりも時間を要しますが、それだけ審査も慎重に行われている証拠です。

あなたはこの記事をどうお考えでしょうか。ぜひ参考にしてみて下さい。

専門家監修:矢野文弘 先生

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