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介護事業を行う会社の定款事業目的の記載方法について

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介護事業の開業を検討されている皆様。一般的な会社設立の際には定款の作成が必要ですが、介護事業においても同様に、法人設立を行う上で定款の作成が必要となってきます。
そして、定款の事業目的の欄には、介護事業を行う旨を適切に表記しなければいけません。

今回の記事では、そうした介護事業を行う会社の定款内の事業目的の書き方から定款作成時の注意点について詳しく説明していきます。
介護事業の開業を考えている方は、ご一読のうえ今後の開業にお役立てください。

 

 

 

介護事業を行う会社の定款事業目的とは?

介護事業を行うためには、まず各都道府県または市町村から指定を受ける必要があります。
しかし、この指定を受けるにあたって、事業者が法人であること=「法人格」がなければいけません。

※法人格の種別は問われないので、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人等でも問題ありません。一部サービス種では法人種別の指定があります。

また、注意しなければならないのが、法人登記の際に、提出書類である定款の「事業目的」の欄に、介護事業を行う旨を適切に明記しなければならないということです。

介護保険法に規定されている介護サービスの場合、定款の事業目的の記載は下記に記載した例のように、介護保険法に基づいていることを示す必要があります。

 

例)

通所介護 → 介護保険法に基づく通所介護

訪問介護 → 介護保険法に基づく訪問介護

 

もし記載漏れがあった場合、会社を設立した後で変更登記=登録免許税(3万円)を行わなければならないため、注意しましょう。

また、後にサービスを追加したい場合も、事業目的に記載がないものであれば変更登記が必要となり、こちらも登録免許税3万円がかかります。
そのため、個別記載で登記するよりも包括記載で登記しておいた方が、後々の柔軟性が増すので、あらかじめ、将来予定している事業であれば、事業目的に含めておくことがおススメです。

※包括的な記載を認めていない申請先(都道府県知事・市町村)もあるので、詳しくは各都道府県・市町村のサイトをご覧ください。

 

 

介護事業を行う会社の定款事業目的一覧

介護保険法に基づく居宅サービス事業

  • 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導、通所介護
  • 通所リハビリテーション
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売

 

介護保険法に基づく予防サービス事業

  • 介護予防訪問介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所介護
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 特定介護予防福祉用具販売

 

介護保険法に基づく施設サービス事業

  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 指定介護療養型医療施設

 

介護保険法に基づく居宅介護支援事業

  • 居宅介護支援事業

 

介護保険法に基づく地域密着型サービス事業

  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 

介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業

  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護

 

介護事業を行う会社の定款事業目的の記載例

以下では、横浜市を例に挙げ、実際に定款事業目的の記載方法について説明していきます。
上述した通り、定款の記載方法に関しては、各都道府県・自治体によって、多少の違いがあったりするので、注意しましょう。

また、気を付けなければならないのは、事業目的で使用する文言が明確に定まっていることです。
実施しようとしているサービスの表現をしっかりと確認し、漏れのないよう記載しましょう。

定款への記載は、「個別に記載する」記載方法と「包括的に記載する」記載方法があります。
個別に記載するというのは、表で示す「サービス名」の中から該当するもののみを記載していくことです。

例えば、

  • 介護保険法に基づく訪問介護事業
  • 介護保険法に基づく訪問入浴介護事業

などです。

しかし、記載が膨大になることに加え、記載漏れの心配があります。
その場合は「介護保険法に基づく居宅サービス事業」と記載すれば下記表の右欄に示されているサービスがすべて含まれることになります。

今後、事業展開の可能性のあるサービス事業は網羅しておくことをおすすめします。

※なお、この記載ルールに関しても各都道府県・市町村等によって多少の違いがあるようです。

 

定款への記載 サービス名
介護保険法に基づく

居宅サービス事業

訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売
介護保険法に基づく

地域密着型サービス事業

夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護保険法に基づく

居宅介護支援事業

居宅介護支援
介護保険法に基づく

施設サービス事業

介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設
介護保険法に基づく

介護予防サービス事業

介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護、介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売
介護保険法に基づく

地域密着型介護予防サービス事業

介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護
介護保険法に基づく

介護予防支援事業

介護予防支援

 

 

まとめ

介護事業を行う会社の定款事業目的の書き方及び記載方法の注意点について、理解は深まりましたでしょうか。
ご承知の通り、介護業界は他業界と比較しても、多くの事業サービスが存在しています。

一方で、だからこそ、定款事業目的の記載に関して、間違いが起こりやすいと言えます。
今回ご説明した介護業界特有の定款事業目的の記載方法をしっかりと押さえ、間違いのない定款記載を行い、開業しましょう。

法人登記の定款書類を書く上での参考になりましたら、シェアをお願いいたします。

 

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