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地域密着型サービスの開設に必要な人員基準とは?


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人員基準って良く分からないんだよね…地域密着型サービスもよく分からないし…

そんな時はこの記事じゃ。今の悩みを解決出来るぞ

さすが。ふくろうさん!物知りだね!

高齢化が進む今日、内閣府が発表した2017年の高齢社会白書では、人口の27.3%が高齢者であるとしています。

今後も更なる需要が見込まれる介護サービスの中でも、今回は新たに地域密着型サービスの開設を考える人のために、必要な人員基準を解説していきます。

地域介護

地域密着型サービスとは?

地域密着型サービスとは、高齢者が自宅や居所などの住み慣れた地域で、自分らしく尊厳を持って生活できるように、身近な市町村等で支援が提供されるサービスのことです。

代表的なのは「小規模多機能型居宅介護」ですが、地域包括ケアシステムの提唱と実現に向けた法改正を受け、グループホームや小規模なデイサービス、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等も含まれるようになってきました。

地域包括ケアシステムとは、これまで自身が生活してきた地域で、最期まで自分らしく生きていくことを目指すためのシステムのこと。

具体的には、1中学校区を基準に日常生活圏内(30分以内で駆け付けられる範囲)に医療や介護を含めた、充実したサービスの提供や、地域包括支援センターに在籍する専門家によるきめ細やかな生活サポートなどが行われます。

その中でも、「小規模多機能型居宅介護」では、これまで通所、訪問、宿泊のサービスを提供し、地域密着型のサービスとして、利用者や利用者の家族を支えてきました。

しかし、一日の最大利用者数が法令で定められていたために、地域包括ケアシステムで設定された1区域をカバーすることができないというデメリットがありました。

こうした問題を解決するために、通所、訪問、入所に特化したサービスも含めたすべての介護サービスを地域密着型サービスとして、サービスの拡大化がはかられています。

なぜ地域密着型である必要があるのか?

バイスティックの7原則に「利用者の自己決定」があるように、利用者が望まない他地域への移住や通所は、利用者の尊厳を傷つける恐れがあります。

さらに、突然の急激な環境の変化は、認知症の発症や認知症の進行を急激に進めてしまう危険性も秘めています。

このような理由から、住み慣れた環境でその人らしく生活していける環境というのはとても重要です。利用者が安心して暮らせる場を安定的に提供するためにも、各サービスは、地域密着型でなければなりません。

地域密着型サービスの開設、運営に必要な人員基準

利用者のニーズに合わせて、さまざまな介護サービスが存在します。ここでは、各サービスの開設に必要な人員基準をご紹介していきます。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

代表者

代表者は、下記の2点を満たす者でなければなりません。

  • 特養、老健、デイ、グループホーム等で認知症高齢者の介護職として従事した経験、もしくは保健医療サービスか福祉サービスの経営に携わった経験があること。
  • 厚生労働大臣が定める研修を修了している者。

管理者

管理者は常勤者で、かつ特養、老健、デイ、グループホーム等で認知症高齢者の介護職として3年以上従事した経験があり、なおかつ厚生労働大臣が定める研修を修了している者を、ユニット毎に1名は配置しなければなりません。

また管理者は、ユニットの管理に支障が出ないのであれば、併設する他施設の職務を兼任することができます。

介護従事者

介護従事者に関しては、利用者3:介護職1の割合で配置しなければならず、そのうちの1名以上は常勤であることが義務付けられています。

夜間や深夜は時間帯を通じて1名以上の介護職員を必要な人数配置しなければなりません。

その際、資格の有無は問われません。

計画作成担当者

計画作成担当者に関しては、共同生活住居ごとに1名以上配置することが義務付けられています。

また、保健医療サービスか福祉サービスの利用に関わる計画の作成知識があり、「実践者研修」もしくは「基礎課程」を修了し、その職務に専任することができることが条件です。

ただし、業務に支障が出なければ、他の業務や管理者を兼任することも可能です。

計画作成担当者のうち、少なくとも1名は介護支援専門員(ケアマネージャー)である必要がありますが、併設する施設の介護支援専門員が兼任可能な場合はこの限りではありません。

介護支援専門員の資格を持たない者は、認知症高齢者の介護サービス計画作成の実務経験者でなければなりません。

グループホームの人員基準早見表

必要人数 備考
代表者 1名 必要条件を満たすこと
管理者 ユニットごとに1名 必要条件を満たすこと
条件付きで兼務が可能
介護従業者 利用者3名に対して1名 1名以上は常勤であること
計画作成担当者 共同生活住居ごとに1名以上 最低1名は介護支援専門員を充てること、ただし例外あり。

地域密着型通所介護(デイサービス)

管理者

常勤で1名配置しなければなりません。

介護職員

利用者が15人以下の場合は1名以上の介護職の配置が必要です。さらに1~5名を上限に利用者が増えるごとに1名追加して配置しなければなりません。

  • 利用者が15名の場合は1名
  • 利用者が16~20名の場合は2名
  • 利用者が21名の場合は3名

となります。

看護職員

看護師又は准看護師を1名以上配置する必要があります。(専従の必要はなし)

生活相談員

専従の生活相談員を1名以上配置する必要があります。

機能訓練指導員

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格を有する者を事業所ごとに1名以上配置する必要があります。

ただし、これらの資格者は、同施設の他の職務を兼任することが可能です。

デイサービスの人員基準早見表

必要人数 備考
管理者 1名 常勤であること
介護職員 利用者が15人以下の場合1名 利用者数が1~5名増えるごとに1名追加配置する必要がある
看護職員 1名以上
生活指導員 1名以上 専従であること
機能訓練指導員 1名以上 必要な資格を有していること
他職務を兼任することが可能

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

管理者

事業所ごとに常勤者を配置する必要があります。

訪問介護員

定期巡回サービスや、随時訪問サービスを適切に提供するために必要な人数であれば足ります。サービスの提供時間帯を通じて専従できれば、1名がであっても問題ありません。

また、訪問介護の業務に支障がなければ、定期巡回サービスを兼任することもできます。

ただし、訪問介護員は、ヘルパー2級又は介護職員初任者研修以上の資格を有する者でなければなりません。

オペレーター

利用者からの連絡を受け付ける業務に当たる従業員を、提供時間を通じて専従で1名以上配置する必要があります。

看護師、介護福祉士、その他厚生労働大臣が定める資格者であることが条件です。

面接相談員

利用者の面接、その他業務を行う従業員を配置する必要があります。適切に面接を行える配置で、なおかつオペレーターや訪問介護員が面接相談員として従事できれば、専従の者を配置する必要はありません。

訪問介護の人員基準早見表

必要人数 備考
管理者 1名 必要条件を満たすこと
訪問介護職員 各サービスを適切に提供する為に必要な数以上 訪問介護員は、ヘルパー2級又は介護職員初任者研修以上の資格を有していること
オペレーター 1名以上 必要条件を満たし専従であること
面接相談員 1名以上 専従の者を配置する必要はない

小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護

代表者

特養、老健、デイ、グループホーム等で認知症高齢者の介護職として従事した経験、もしくは保健医療サービスか福祉サービスの経営に携わった経験があり、かつ厚生労働大臣が定める研修を修了している者が代表者となることができます。

小規模多機能型居宅介護の代表者は、上記2点を満たす者でなければなりません。

さらに、看護小規模多機能型居宅介護の場合には一定の経験のある保健師資格もしくは看護師資格を持つ者が対象となります。

管理者

小規模多機能型居宅介護の管理者は、特養、老健、デイ、グループホーム等で認知症高齢者の介護職として3年以上従事した経験があり、なおかつ厚生労働大臣が定める研修を修了している者である必要があります。

さらに、看護小規模多機能型居宅介護の場合には一定の経験のある保健師もしくは看護師であることが条件です。管理者は、ユニットごとに1名は配置しなければなりません。

管理者になれるのは、常勤者のみです。また、ユニットの管理に支障が出ないのであれば、併設する他施設の職務を兼任することができます。

介護職員

訪問介護員は、常勤換算で1名以上配置することが義務付けられています。

また、通所介護利用者が1~3名を上限として増えるごとに、通所介護職員を1名以上配置することが義務付けられています。

なお、通所介護利用者数は前年の平均利用者数になりますが、新規開設の場合は推定で設定されます。

夜間業務の場合には宿直勤務者を1名、夜勤1名以上を配置しなければなりません。上記すべての人員基準を満たす必要があります。

看護職員

看護師又は准看護師を専従で1名以上配置する必要があります。

小規模多機能型居宅介護の場合は、保健師、看護師又は准看護師を1名以上配置しなければなりません。

看護小規模多機能型居宅介護の場合は、保健師、看護師又は准看護師は常勤換算法で2.5以上である必要があります。

ただし、これは訪問看護ステーションの指定を併せて受け、同一事業所で運営してれば、訪問看護ステーションの人員基準を満たすことにより、この基準も満たされているとみなされます。

介護支援専門員

登録者に係る居宅サービス計画及び小規模多機能型居宅介護計画の作成を行う介護支援専門員を1名以上配置する必要があります。

小規模多機能型居宅介護の人員基準早見表

必要人数 備考
代表者 1名 必要条件を満たすこと
管理者 1名 必要条件を満たすこと
介護職員 訪問介護員1名以上
通所介護員を利用者数に合わせた必要数
夜間の宿直、夜勤を各1名以上
全ての人員基準を満たす必要がある。
看護職員 1名以上 専従であること
介護支援専門員 1名以上

看護小規模多機能型居宅介護の人員基準早見表

必要人数 備考
代表者 1名 必要条件を満たすこと
管理者 1名 必要条件を満たすこと
介護職員 訪問介護員2名以上
通所介護員を利用者数に合わせた必要数
夜間の宿直、夜勤を各1名以上
全ての人員基準を満たす必要がある。
看護職員 常勤換算で2.5名以上
訪問、通所の各サービスに1名以上
訪問看護ステーションの指定を受けていれば、常勤換算で2.5名以上満たしているとみなされる。
介護支援専門員 1名以上

地域密着型特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)

管理者

各事業所に常勤者を配置する必要があります。

生活相談員

1名以上配置し、うち1名以上は常勤であること。

介護職員

常に1名以上の配置ができるように、人数を確保すること。

介護職員の内、1名以上は常勤であること。

介護職員および看護職員の合計数は常勤換算方法で、利用者の数が3名又はその端数増す毎に1名以上配置すること。

看護師

看護職員の数は常勤換算方法で1名以上である必要があります。

看護職員および介護職員の合計数は常勤換算方法で、利用者の数が3名又はその端数増す毎に1名以上配置すること。

機能訓練動員

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、あんまマッサージ指圧師のいずれかの資格を有する者を事業所事に1名以上配置する必要があります。

同施設の他の職務を兼任することができます。

計画作成担当者

専従の介護支援専門員を1名以上配置する必要がありますが、併設される小規模多機能型居宅介護事業所の介護支援専門員が、利用者の処遇を適切に行えると認められた場合は、配置しなくても問題ありません。

地域密着特定施設入居者生活介護の人員基準早見表

必要人数 備考
代表者 1名 必要条件を満たすこと
管理者 1名 必要条件を満たすこと
生活相談員 1名 常勤であること
介護職員 利用者数にあわせた必要数 1名以上は常勤であること
看護職員 1名 1名以上は常勤であること
機能訓練動員 1名以上 兼務可能
計画作成担当者 1名以上 介護支援専門員資格が必要

人員基準を満たす上で注意すべき点

この人員基準は、厚生労働省が定めるものが一般的な基準となりますが、独自の基準を持つ自治体もあります。

新規に地域密着型サービスを開設したい場合には、各自治体への確認も合わせて行うようにしましょう。

また、介護保険法そのものの歴史は浅く、この先の超高齢社会を見据えさまざまな諸問題を解決できるように現在、法改正を繰り返している最中でもあります。

このような背景から、今後人員基準が変更される可能性も十分ありますので、新規で地域密着型サービスの開設を考えている事業者は、法改正の動向を見守っていくことも必要です。

2017年11月現在では、今回の記事にある人員基準と、各市町村等の独自の基準を満たしていれば問題ありません。

この記事が、新規で地域密着型サービスを開設しようとしている方々の参考になれば幸いです。

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