人材の採用・育成

介護人材の採用におけるポイント!なぜ採用が難しいの?


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僕の事業所、介護スタッフがぜんぜん入らないんだけど、僕嫌われているのかな…

そんなことはないぞ!カイポチ!介護業界は職員の不足が顕著だからの…しかし、職員が集まらない原因を探って、改善していくことで、介護人材の採用が出来るようになるぞ

そうだよね!よっし!!介護職員採用できるように勉強するぞ!!

(立ち直り早っ)

厚生労働省の発表では2025年には約38万人の介護職員不足が予測されています。

加速度的に少子高齢化が進む中で、介護を必要とする人口も今までにないスピードで増えてきているため、介護のための施設と人員の数が追い付かなくなってきているのです。

特に、労働力となる若年層が減っていることで、介護職員の確保はより困難になっています。

介護事業への需要の高まりによって、これからも多くの施設や事業所が開設していくことになりますが、いずれの業態においてもまず課題となるのが介護職員の採用と定着です。

介護人材の採用のポイントや採用が困難な理由、また採用にかかる単価や助成金の種類などを知りたい方はぜひこの記事を参考にしてください。

採用

介護人材の採用率

介護業界では人材採用の難しさや離職率がよく話題になります。では、実際には介護職の採用率や離職率の水準はどれほどか、数値も参考にしながら見ていきましょう。

介護職の有効求人倍率

介護職の有効求人倍率は、月によっても変動がありますが3倍を超えており、倍率が高い時には4倍近くになる時もあります。

これは、ほかの職種における平均的な有効求人倍率が1.5倍程度であることを考えても、非常に高い倍率であることがわかります。

求職者にとっては「売り手市場」なので働き口を探しやすい状況ですが、採用側にとっては優秀な人材を採用することが難しくなっています。

介護職の採用率

2016年度の「介護労働実態調査」によれば、介護職の採用率は19.4%です。

この数字は実はほかの業種の平均的な採用率と大きな差はありません。

つまり、有効求人倍率には大きな差が生まれているにも関わらず、その有効求人倍率の向上がそのまま採用率の向上にはつながらない現象が起きてしまっているのです。

これは、企業側と求職者のミスマッチが生じてしまっていることを示しています。

介護職の離職率

同じく2016年度の「介護労働実態調査」によれば、介護職の離職率は16.7%です。

離職率の高さが常に話題になっている印象のある介護業界ですが、この数字はほかの業種の平均と大きな差はありません。

ただし、就業1年目での離職率はほかの業種よりも高いとされるなど、定着率に問題があることが指摘されていますので、離職率だけを鵜呑みにしてはいけないでしょう。

ここまで、介護職の有効求人倍率、採用率、離職率を見てきましたが、事業者にとっては特に採用時に難しさがあると言えます。

介護人材の採用単価

介護人材を採用する際にどのくらいのコストがかかるかは大事なポイントです。

特に開業時の採用の場合には、設備投資などほかのコストとの兼ね合いも考えなければならないので、できるだけ費用は抑えたいところです。

採用方法ごとのコストや有資格者採用の際のコストを見ていきましょう。

介護人材の採用コスト

介護人材の採用コストは、採用のためにどのような方法を用いたかによって変わってきます。以下がおおまかな費用の目安とメリットです。

フリーペーパーや新聞折り込みチラシ

部数や枠の大きさにもよりますが目安は5万円~。

事業所の近くの人に集中してアプローチをかけることができます。

求人サイト

数万円~数百万円。サイトの閲覧数、期間などによって費用は大きく変わってきます。

うまくいけば求人サイトだけで複数人を採用できるメリットがあります。

ハローワーク

無料です。しかし、ご利用者の主な層は退職中の方であるなど、現在最前線で働いている方の採用には向いてない側面もあります。

派遣会社を利用する場合

人材派遣会社を利用する場合には考え方が異なってきます。

採用という考え方ではなく、人材派遣会社に所属する人を派遣社員として派遣してもらう形になるので、採用時のコストはかからない代わりに、派遣されている期間中は派遣料を払い続けることになります。

人材派遣会社に払う派遣料の目安は、時給にして相場の1.3倍程度です。

人材紹介会社を利用する場合

人材紹介会社を利用する場合には、必要なスキルや性格を満たした人材を紹介してくれる代わりにコストは高くなります。

相場は、採用が決まった人材の年収の30%と言われているため、年収500万円の人材を採用するケースは150万円を人材紹介会社に支払うことになります。

介護福祉士、看護師、言語聴覚士などの採用コスト

介護福祉士、看護師、言語聴覚士など有資格者の採用について、フリーペーパーや新聞折り込みチラシ、サイトやハローワークで採用活動を行った場合にはコストは変わりませんが、人材紹介会社を使う場合には注意が必要です。

上で紹介したように、人材紹介会社に支払う費用は「採用が決まった人の年収×0.3」が相場ですので、年収が高くなるほど採用時の費用も高くなります。

おおよその平均年収は、介護福祉士が310万円前後、言語聴覚士が450万円前後、看護師が500万円前後ですから、人材紹介会社を利用する時は職種ごとの年収を意識した上で活用する必要があるでしょう。

介護人材の採用が困難な理由とは

介護業界への需要が高まっているにも関わらず、介護人材の採用が困難な原因は、様々な理由により介護職への就職希望者の数が増えていかないことにあります。

その理由を理解し、様々な取り組みをすることなしには、優秀な人材を確保するのは難しい現状があります。理由について、以下に数点挙げます。

所得が低い

まず、第一に挙げられるのが介護業界全体としてほかの業界に比べて所得が低いことです。

例えば、介護福祉士の平均年収は310万円程度とされていますが、全業種の平均年収は400万円を超えていますので平均を大きく下回っていると言えます。

特にご家族がいる人の場合には、実際に生活していくことが難しい場合もあるでしょう。

労働環境の厳しさ

所得が低いにも関わらず労働環境、条件が悪いことも介護職を希望する人が増加しない原因になっています。

まず、シフト制が多く土日に安定して休むことができないことや、労働時間が長いことが挙げられます。加えて、夜勤がある場合には生活リズムを作るのも困難です。

また、介護の現場では体を酷使して腰を痛める人も多いなど、身体へのダメージが懸念されることも要因の一つになっています。

社会的評価の低さ

介護事業への需要が増加し、政府としても力を入れている業界であることは間違いありませんが、実際には社会的評価は低いのが現状と言えるでしょう。

自分が働いている現場や職種に、社会的な評価が適切にされていることは誇りにもつながるため、大切なポイントになります。

人間関係の難しさ

介護事業の現場においては、職員同士が長時間共に過ごすことや、ご利用者に対する姿勢の違いによって対立が起きることがあります。

それが原因で人間関係がぎくしゃくしてしまい、大きなストレスとなり退職していく人がいるのも事実です。

介護人材の採用率・定着率を上げるために

採用活動が難航することが多い介護業界ですが、どのような点を改善すると、採用率や定着率の向上につながるのでしょうか。

労働条件、給与の改善

介護人材の採用が難しくなり、さらに定着していかない理由の大きなものとして労働条件が悪いことと、給与が低いことが挙げられます。

職場でできる範囲でこの部分を改善することで、ほかの事業所と差別化ができ希望者が増えると考えられます。

また、あらかじめ明確に業務内容や職場環境を求職者に解りやすく伝えることによって、事業所と求職者の間でミスマッチが生じることが少なくなるメリットもあるでしょう。

安心して働ける人間関係の構築

就業時間が不規則であるなど、精神的にも肉体的にもかなり負荷が高い職場である介護事業所では、穏やかな人間関係が作られているかどうかが採用率と定着率のアップに大きく関わってきます。

経営者や上司から積極的に声掛けをすることや、関係が悪い職員同士が同じシフトに入らないようにするなど、できることから取り組んでいくことが必要です。

スキルアップができる職場づくり

介護職に誇りをもって仕事をしていくためには、自分のスキルが向上している実感を持てることが大切です。

そのために、事業所での研修だけではなく外部の高度な内容を扱った研修に参加できる体制を整えるなど、職員のモチベーションを保つための努力が肝心になります。

介護職員採用時の助成金の種類

介護職員採用時には助成金が使える場合がありますので、有効活用したいです。以下の表に助成金の例をまとめます。助成金の申請を考える場合、詳しい内容は厚生労働省のwebサイトをご覧ください。

特定就職困難者雇用開発助成金

概要 高年齢者や障害者等の就職困難者を継続雇用する事業者を対象に助成金を支給。
支給対象者 高年齢者や障害者など
受給要件
  • ハローワークや民間の職業紹介業者を介して雇用すること
  • 継続して雇用することが確実であること
支給額 30万円~240万円(障害の重さなど、条件による)

トライアル雇用助成金

概要 職業経験、技能などから安定的な就職が困難な求職者を一定期間試行雇用した場合に助成金が支給される。
支給対象者 安定した職業に就いていない人
※学校に在籍していないこと等の条件あり
受給要件
  • ハローワークや民間の職業紹介業者を介して雇用すること
  • 原則3ヵ月のトライアル雇用をすること
  • 1週間の労働時間が通常の労働者と同程度
支給額 原則、1人につき月額4万円

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

概要 65歳以上の離職者を1年以上継続して雇用した場合に助成金が支給される。
支給対象者 65歳以上の離職者
受給要件
  • ハローワーク、民間の職業紹介事業者などを介して雇用すること
  • 1週間の労働時間が20時間以上で、1年以上雇用することが確実であること
支給額 年額40万円~70万円

介護採用の助成金における注意点

人材を採用する際に助けになる助成金ですが、注意するべき点もありますので事前に知っておく必要があります。

不正受給について

各種助成金を受給するためには、受給要件をすべて満たしている必要があります。ここで、満たしていない要件をあたかも満たしているかのようにしてしまうと、不正受給となり処罰されますので絶対にやめましょう。

なお、実際に受給していなかったとしても、実態と異なった文書で申請をしただけでも不正受給になりますので注意が必要です。

助成金も課税対象

助成金も収入として扱われるため課税対象になります。これを知らずに助成金をまるまる使えると考えてしまうと、財政面で苦しくなりますので注意が必要です。なお、消費税はかかりません。

助成金の会計処理はどうする?

助成金の会計処理の方法としては、支給決定通知書が届いたタイミングで未収入金/雑収入として計上します。このタイミングを誤るとペナルティもありますので、会計を担当する職員と連絡を取り合って、ミスのない処理をする必要があります。

まとめ

介護人材を採用する際に知っておきたい採用率や離職率、そして定着率を上げるためにはどのような点に注意したらよいかを説明してきました。

介護職は所得が低く、労働環境も整備されていないという印象が根強く、なかなか人気が出てこない現状があります。

しかし、その社会的な意義は大きく、これからますます必要とされてきますので、まずは各事業所で少しでも改善できるところを改善しながら、人材を確保していきましょう。

また、助成金の活用など、知っていないと損をしてしまうことも多いので、アンテナを高くすることが大切です。

介護人材の採用や定着のための方法を知り実践する事業者が増えて、より良い職場環境の整備と就業希望者の増加が進むことを願っています。

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