人材の採用・育成

介護人材の助成金の種類と手続き方法

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人材の確保や労働環境の改善の際に、助成金がもらえることをご存知でしたか?

どちらも費用のかかる取り組みですので、資金面での補助を受けられるのであれば、事業者にとって強い味方になります。

今回の記事では、助成金の種類と手続きの方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

助成金

介護人材の助成金の種類

職場定着支援助成金

2017年4月1日に制度が変更されました。

介護労働者雇用管理制度助成コース

以前は「介護雇用管理制度助成」と呼ばれていたもので、介護事業主が職員の賃金制度の整備を通じて、職場への人材の確保・定着率の促進を図る場合に助成されるものです。

また、賃金制度の整備を通じて、離職率の低下に取り組んだ場合も対象となります。

受給要件

受給するためには、介護賃金制度整備計画を作成し、管轄の労働局へ提出して認定を受ける必要があります。

さらに、認定を受けた後は当該介護賃金制度整備計画に基づいて、賃金制度の整備・実施を期間内に行わなければなりません。

また、賃金制度の整備を実施した結果、介護賃金制度整備計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率を、規定の目標値以上に低下させ、さらに介護賃金制度整備計画期間の終了から3年経過するまでは、その離職率を維持していることでさらに助成を受けられます。

対象事業所における雇用保険一般被保険者の人数区分 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
低下させる離職率の目標値 15% 10% 7% 5% 3%
支給額

目標達成時の助成は生産要件を満たすことで増額されます。
制度整備助成:50万円
1年経過時目標達成:57万円(生産要件を満たした場合は72万円)
3年経過時目標達成:85.5万円(生産要件を満たした場合は108万円)

手続き方法
  1. 介護賃金制度整備計画書の作成・提出
  2. 認定を受け介護賃金制度整備計画の実施
  3. 計画期間の終了から2ヵ月以内に制度整備助成の支給申請
  4. 第1回算定期間の終了から2ヵ月以内に目標達成助成(第1回)の支給申請
  5. 第2回算定期間の終了から2か月以内に目標達成助成(第2回)の支給申請

介護福祉機器助成コース

介護事業者が労働者の職場への定着や、離職率の低下を目的とした介護福祉機器の購入時に助成されます。

支給要件

介護労働者の労働環境向上のための介護福祉機器の導入・運用計画を作成し、管轄の労働局へ提出して認定を受ける必要があります。

対象となる介護福祉機器

  1. 移動・昇降用リフト
  2. 自動車用車いすリフト
  3. エアーマット
  4. 特殊浴槽
  5. ストレッチャー

介護福祉機器の導入・運用後に効果を把握していなければなりません。
また、介護労働者雇用管理制度助成コースと同様に、介護福祉機器の導入・運用による労働環境の改善後に、離職率を目標値以上に低下させることにより、さらに助成を受けることができます。

対象事業所における雇用保険一般被保険者の人数区分 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
低下させる離職率の目標値 15% 10% 7% 5% 3%
支給額

利子を含む介護福祉機器の導入費用、保守契約費、機器の使用を徹底させるための研修費の合計位金額をベースとし、上限150万円まで割合で支給されます。

また、生産要件を満たすことにより助成額が増額されます。

機器導入助成:上記合計金額の25%(上限150万円)
目標達成助成:上記合計金額の20%、生産要件を満たしている場合は35%(上限150万円)

手続き方法
  1. 介護福祉機器の導入・運用計画を作成し提出
  2. 認定を受け、介護福祉機器の導入・運用
  3. 導入後の効果を把握
  4. 計画修了後2ヵ月以内に機器導入助成の支給申請
  5. 算定期間の終了から2ヵ月以内に目標達成助成の支給申請
注意点

介護福祉機器の導入・運用後に一定の効果が見られなかった場合は、支給が受けられない場合があります。

つまり、対象の機器といっても使用の見込みが無ければ支給は受けられないのです。

また、対象の機器以外の導入では、支給は受けられませんので注意してください。

その他の助成金

特定就職困難者雇用開発助成金

高齢者や障害者などの特定の就職困難者を、ハローワークなど経由で採用を継続して、雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成されます。

・支給額 ※()内は中小企業主以外に適用されます。

対象労働者 支給額 助成期間
短時間労働者以外の者 高齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 60万円
(50万円)
1年
(1年)
重度障害者を除く身体・知的障害者 120万円
(50万円)
2年
(1年)
重度障害者等(重度の身体・知的障害者又は45歳以上の身体・知的障害者) 240万円
(100万円)
3年
(1年6ヶ月)
短時間労働者 高齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 40万円
(30万円)
1年
(1年)
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 80万円
(30万円)
2年
(1年)

試行雇用奨励金

経験や技能の面で就職が難しい職種への求職者を、ハローワーク等の紹介により一定期間雇用することで助成されます。

支給額

対象労働者1人につき4万円(母子家庭または父子家庭の父母である場合は5万円)

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者のような非正規雇用の労働者を、企業内での正規雇用労働者・多様な正社員等へ転換させた際に助成されるものです。「多様な正社員」とは、勤務地限定正社員や短時間正社員等を指します。

支給額
  • 有期から正規への転換:1人当たり57万円(生産性要件を満たす場合は72万円)
  • 有期から無期への転換:1人当たり28.5万円(生産性要件を満たす場合は36万円)
  • 無期から正規への転換:1人当たり28.5万円(生産性要件を満たす場合は36万円)
  • 派遣労働者を派遣先で直接雇用する場合は、1人当たり28.5万円(生産性要件を満たす場合は36万円)が加算されます。
  • 母子家庭、父子家庭の父母、若者認定事業所における35歳未満の対象労働者を転換した場合は①:1人当たり9.5万円(生産性要件を満たす場合は12万円)②③:4.75万円(生産性要件を満たす場合は6万円)の加算がなされます。
  • 勤務地・職務限定正社員制度を新しく定めた場合は①③:1事業所あたり9.5万円(生産性要件を満たす場合は12万円)加算されます。

人材開発支援助成金(キャリア形成支援制度導入コース)

2017年4月1日前までは「キャリア形成促進助成金」と呼ばれていたもので、セルフ・キャリアドック制度を導入し実施した場合、または教育訓練休暇制度、または教育訓練短時間勤務制度を導入し実施した場合に助成されるものです。

支給額

制度導入助成:47.5万円(生産性要件を満たす場合は60万円)

介護業界では、助成金・補助金以外にも処遇改善加算などの活用できる制度もありますので、併せて活用を検討してみてはいかがでしょうか。

介護人材の助成金における注意点

助成金の不正受給

社内での労働環境改善や、キャリアアップなどの支援をしてくれる助成金は、魅力的ではありますが、きちんと受給要件を満たしていなければなりません。

書面を操作して受給要件を満たしているかのように見せかけ、助成金を不正に受給するような事例が後を絶ちません。

中には知識不足からくる、故意ではない不正受給もありますが、故意ではなくとも不正受給には変わりありませんので注意が必要です。

この助成金の不正受給を行ってしまうと、刑事罰を受ける可能性もあるだけでなく、以降3年間は一切の助成金の申請ができなくなる他、労働局により不正受給した企業として3年間公表されてしまいますので注意が必要です。

助成金には税金がかかる

助成金は会計上「収入」の扱いになり、税金がかかります。

ただし、対価としての収入ではありませんので、消費税がかかることはありません。

助成金の会計処理に関して

助成金は、支給が行われる前に日数がかかる上、支給日もまちまちですので計上のタイミングに戸惑われる方も多いと思います。

この助成金の計上は、支給決定の通知が届いて、すぐ計上を行わなければなりません。計上漏れを起こしてしまうと、過少申告加算税や延滞税のペナルティを課されることになりますので注意してください。

まとめ

開業したての事業者や、資金繰りが厳しい事業者には大きな助けとなる助成金。

要件さえ満たしてしまえば、業種を問わず受けることができるものも多く、職場の環境改善や人手不足などの問題を解消するために役立てていきたいところです。

しかし、誤った使い方をしてしまうと、取り返しのつかない事態になりかねませんので注意をしてください。

ぜひ、この記事を参考に利用できる助成金を探して、検討してみてはいかがでしょうか?

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