ご利用者ケアのスムーズな連携を実現 その鍵は一か所での複数事業展開 -メリーケアステーション-

ご利用者ケアのスムーズな連携を実現 その鍵は一か所での複数事業展開 -メリーケアステーション-

横浜市青葉区にある「メリーケアステーション」では、一つの事業所の中で訪問看護ステーションを始め、看護小規模多機能型居宅介護、福祉用具、居宅介護支援事業を提供しています。

この事業所を立ち上げたのは、ベア・オリーブ株式会社代表取締役の坂田さん。ご利用者ケアのスムーズな連携など、メリーケアステーションという「場」がもたらす様々な効果について坂田さんに伺いました。

タイムロスを生まない事業連携

――メリーケアステーションでは、どのようなサービスを提供されているのでしょうか?

ここでは訪問看護ステーション、看護小規模多機能型居宅介護、福祉用具、居宅介護支援のサービスを提供しています。職員数は各事業を合わせて50名ほどで、その他に事業部全体を統括する本社機能も同じ建物内に置いています。

――様々なサービスが一か所に集まっているんですね。

元々は訪問看護ステーションを運営していて、その後始めた通所介護もそれぞれ別の場所でサービスを提供していました。2013年に看多機を立ち上げる際、ここの物件に巡り合ったんです。ただ、看多機だけをやるにはあまりに大きすぎる建物だったため、どうしようかと悩みまして…。

そこで思いついたのが、他のサービスと合わせて事業所を一か所に集約すれば、ご利用者にとってより良いサービスを提供できる環境になるだろうというアイデアです。その後、福祉用具と居宅介護支援のサービスも新たに始めて現在の形になりました。

事業所には広々とした駐車場が隣接し、ご利用者の送迎も安全に行える

――今の事業所の形になって、ご利用者へのサービスはどのように変わりましたか?

ご利用者へのちょっとした対応も、とてもスピーディーに行えるようになりました。

例えば看多機で事業所に通われている方から「自宅内の移動に少し不安を感じている」という相談があれば、すぐに福祉用具の担当やケアマネジャーが詳しく話を伺えます。早ければ当日中に、一度ご自宅を訪問するといった対応も可能です。一か所に各事業の担当者が揃っているからこそ連携も取りやすく、ご利用者の生活を支えることができていますね。

退院から在宅ケアまで、ご利用者を支え続ける体制

――一か所で複数のサービスを提供できるメリットは、地域の中にも広まっているのでしょうか?

今まさに、サービス圏域内での認知を広めているところです。昨年からは外部のケアマネジャーや病院への営業活動を積極的に行っていて、病院から退院されるご利用者を受け入れる在宅医療・介護連携が非常に上手くいっています。訪問看護と看多機、両方のサービスを一か所で提供できることが強みとなっています。

――具体的にはどのような連携が取られているのでしょうか?

病院に入院されていて、退院後には在宅の医療・介護サービスを必要とされる方がいらっしゃいます。ですがご家族の準備も含めて、退院してもすぐに自宅でケアができる態勢を整えられるわけではなかったりします。

そんな時、退院後しばらくは看多機の宿泊サービスをご利用いただき、その間ご家族には自宅でケアが行えるよう、福祉用具なども活用して準備を整えていただきます。準備ができたらご自宅にお戻りいただき、その後は訪問看護と訪問介護で在宅ケアを行っていきます。

このような在宅医療・介護連携の場合、複数事業を展開していて、しかも一か所で連携の取りやすいメリーケアステーションであればご利用者を任せられると、だんだん地域の中で浸透してきているところです。

訪問看護職員によるミーティングの様子

キャリアの幅も広げやすい環境づくり

――それは地域でも心強い存在ですね。その他、メリーケアステーションならではの強みをどのように感じていますか?

社内での研修にも強みを活かせています。介護職が喀痰吸引の研修を受ける際は看護師の指導が必要になりますが、看護師が同じ建物内に常駐していますので、研修に伴う日程調整がスムーズです。そういった環境を活かし、喀痰吸引の研修を介護福祉士取得者全員が修了しています。

――こういった強みは、経営方針にも活かされているのでしょうか?

「職員の幸せを考える」という点を経営方針として大事にしていて、職員一人ひとりとしっかり面談を行い、適材適所で力を発揮できるような環境づくりに取り組んでいます。

――どのような時、適材適所の環境づくりを実感されますか?

訪問看護を志望して入社した職員が、その後看多機での勤務を希望するというケースもあります。当社では一か所でどちらの事業も行っているため、週の一日は看多機で勤務し、その他の日は訪問看護で働くなど、シフト組みも含め柔軟に職員の希望に応えることができています。

また、一か所で複数事業を展開していることで、他の事業について同僚や先輩に気軽に相談できたり、仕事の様子を間近で見ることで実際に働くイメージも描きやすいと思います。

ベア・オリーブが掲げる経営方針

――キャリアプランが描きやすい環境ですね。離職される方も少ないのではないでしょうか?

はい。看護師は特にキャリアの幅を広げやすいですね。そのような努力を重ねた結果だと思いますが、離職率は1%台と業界全体でもかなり低い方で、当社の特徴の一つになっています。

――こちらでは「アロマライセンスカレッジ横浜校」も開設されていますが、キャリアアップ支援の一貫でしょうか?

当社では創業当初から、訪問看護の緩和ケア・筋固縮へのアプローチとしてアロマテラピーを取り入れています。それが縁で、アロマテラピーの資格講座を介護保険事業とは独立した事業として運営しているんです。

職員のキャリアアップとは少し違うかもしれませんが、メリーケアステーションにとって嬉しいのは、アロマテラピーの資格を取った人が、現場でその資格を活かしたいと介護事業に就職を希望してくれるケースがあります。また、外部のケアマネジャーが「メリーケアステーションではアロマテラピーが受けられる」とご利用者に紹介してくれることもあり、事業所のセールスポイントになっています。

――最後に、経営者の坂田さんから見た「メリーケアステーション」はいかがでしょうか。

本社機能が同じ建物内にあることで、意思決定などのタイムロスがないのは大きいですね。各事業の管理者に確認がある際も、1階と2階を往復するだけで済みますから、経営上とても効率的だと感じています。今後の目標はしっかり営業活動を行って、メリーケアステーションが地域の中でより選ばれる事業所になっていくことですね。

取材メモ

取材の中で、坂田さんは介護事業の経営について「『ケアの質』にこだわるのはもちろんだけど、質の良いケアを選んでくださるのはご利用者。ベア・オリーブが提供しているケアをどれだけご利用者に広められているかは結果として数字に表れる。隠れた名店になってしまっては事業として成り立たない」と語っていました。

良いサービスを提供する環境を作った上で、その環境を知ってもらう努力を重ねているからこそ、メリーケアステーションがご利用者にとって欠かせない存在になっているのだと感じられました。

今回のとなりの事業所は?

坂田幸枝(さかたさちえ)

ベア・オリーブ株式会社代表取締役

日本医科大学救命救急センター、昭和医大病院で12年間勤務。横浜市の医師会立訪問看護ステーション立上げの後に、ベア・オリーブ株式会社を設立。

メリーケアステーション

2013年に立ち上げた在宅医療・介護サービスの複合施設。訪問看護ステーション、看多機、福祉用具、居宅介護支援事業を提供している。健康経営の取組の一環で、40歳以上の職員には月1万円までの健康手当が支給されるそう。ジムに通ったり、リフレッシュで飲みに行ったりと使途はそれぞれ。

サービス種別:訪問看護、看護小規模多機能型居宅介護、福祉用具、居宅介護支援

住所:神奈川県横浜市青葉区松風台48-16

運営:ベア・オリーブ株式会社

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