介護事業者は利用者のマイナンバーを集め、記録する必要はない/弁護士インタビュー

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大原則として中身に触れなければ外側のカラは自由に扱えると考えることができます。これがマイナンバーと接するときの心構えとなります。要するに、中身(数字そのもの)がむき出しのときは警戒し、注意して扱いましょうと意識を切り替えることが重要なのです。具体的には、社会保障や税等、本来の目的で使う場面でなければ、家族で無い物は他人のマイナンバーを書き写したり、写メを撮ったりしてはいけません。一方で、「カラに包まれた状態、現実にはカードを目にすればそこに記載されたナンバーも見えてしまう訳ですが、認識として「カードそのものを扱う」という形であれば、比較的自由に扱うことが可能です。

まず、利用者の通知カードが施設に送られてきた場合、施設職員は各利用者から「委任」を受けて代理で受領・保管することができます。この「委任」「代理」の概念は一般法たる民法によるもので、番号法には記載が無いため混乱しやすいのです。カードが役所に返送されたときに取得に赴くことや、個人番号カードへの切り替え等も、「代理」ですることができます。


利用者が認知症で、代りに判断する家族や後見人もいないときでも、施設が当座カードを預かることは可能です。その場合の法的根拠は、これもまた民法上の「事務管理」という制度になります。通知カードを預かり保管する場合、実際の運用としては、「カードの入った封を開封することなく、そのままの状態で金庫に入れ保管する」という方法が望ましいでしょう。中身が極力見えないよう扱う、クルミの殻ごと預かるイメージです。


以上が施設に関する説明でしたが、在宅の場合は逆に安易に預からない方が良いでしょう。法的に禁止されている訳ではないのですが、紛失リスクをカバーしきれないためです。もし利用者に頼まれても、心を鬼にして断らなければなりません。もちろん、役所や包括等に報告し対策を求めることは可能ですし、積極的にすべきです。


情報漏洩に関してですが、番号法では他者の個人番号を正当な理由なく外部に提供したり、盗用する様な、いわゆる「故意犯」の場合に厳しい刑罰を科しています。しかし、うっかり漏えいさせてしまう「過失犯」に対して処罰規定はありません。施設職員の特にマネジャークラスの実運用を担当する方たちは、新しい運用に不安を持っている方もいらっしゃると思います。経営者の方から「もし万が一漏えいさせてしまっても、わざとでなければ処罰はされません。」等とアナウンスすることでスタッフの不安を和らげることができると思います。

執筆:ヘルスバンク株式会社 石塚集
監修(後半記事):弁護士 外岡潤

 
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