介護経営の専門家が語る!介護報酬改定後の事業所の動き

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地域の中核的な介護事業者になるためには?

石塚 今後、介護保険サービスにおいて、在宅の要素は広がっていくと思いますが、地域の高齢者を包括的にみていくためには、医療と本格的に連携したところが中核になっていくと思います。
昨年行われた社会保障制度改革国民会議における報告書の中で「地域におけて医療・介護の連携を促進していくためには、医療法人等の間での競合より協調が必要で、その際に医療法人等が再編・統合しやすくするような制度が必要」と書かれています。
この論点からでてきているのが、非営利ホールディングカンパニー型法人です。非営利型の医療法人と、株式会社としてサービスを提供している介護サービス事業者がひとつのグループに統合することができれば、サービス提供スタッフやレセプト請求事務などの人事的な面、設備などの固定費的な面を効率的に活用できると考えられています。
介護事業者がカンパニー型法人の下部組織に入って、病院マネジメントの方法論で運営されていくような所もでてくるでしょうね。
 
佐藤 地域によっては、病院を中核とする組織が介護事業や地域包括支援センター自体を委託されているケースもありますが、介護サービスまでは手がまわらないと考えている地域の中核病院を持つ組織もあるでしょう。
お互いに連携を結んで、地域に深く入り込んでいくことが、介護経営のポイントの一つですね。医療のほうから歩み寄ってくるのを待たずに、介護のほうから医療的ケアに対して連携をとっていく。先手を取った方がよいでしょう。
 
石塚 サービス事業所だとしても、地域の特色をよくつかんで、どんどん行政に入っていくような所が信頼を勝ち取っていくと思います。
また、厚労省では介護職員の不足を背景にして、介護福祉士と保育士の資格統一に関する検討が始まったところですよね。少し先になるとは思いますが、職員が介護や保育を掛け持ちできるようになれば、おそらく施設の統合なども検討事項に入ってくるのだと思います。
 
佐藤 地域という大きな軸でとらえていくと、同じ資源を使って解決できることがいくつもでてくると思います。
このような変化に前向きな事業者と小学校などが連携すれば、デイサービスと小学生の学童が隣接しているなんてことがでてくるかもしれませんね。無認可保育の問題とはまた違ってくるので。これはひとつのモデルケースとして、行政と連携して取り組む事業者がでてきても良いと思います。
 
 

時代の変化を楽しめる経営者に

石塚 保険点数がマイナスになったからといって、介護の仕事に魅力が無くなるわけではありません。
まずは経営者が頭を切り替えて、この変化を楽しんでマメジメントしていくことが大切なのだと思います。地域の課題をしっかりと認識して、行政を含め、周囲と一体となり、地域に深く根を下ろしていくことが、事業継続のカギになりますね。
高齢者の数は確実に増えていきます。地域課題の解決は必ず点数にも繋がっていくでしょう。新しいことへのチャレンジは不安になりますが、変化を楽しんで、事業拡大に不安ではなく、期待を寄せられる方たちが、この時代の経営に向いているのかもしれませんね。
 
佐藤 介護事業が始まり15年たった中で、事業者に求められることも変化してきました。
訪問介護でも通所介護でも、地域の特徴を把握して、事業規模を適正に拡大していくことが王道だと思います。「私のところは通所だけ」と固執をしてしまうと、変化に対応しにくくなります。
事業拡大の路線はちょっとと思っている方は、今であれば、まだまだ事業所の買い手はたくさんいるでしょう。事業所の売買に関しては、今後は活発化するだろうなと思っています。
 
石塚 本日はありがとうございました。
 
佐藤 こちらこそ、ありがとうございました。

 

 

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