介護保険導入までの社会背景

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福祉の分野でゴールドプランが策定される

 1973年のオイルショックをきっかけとして、日本の高度経済成長は終焉に向かいます。右肩上がりだった経済も終わり税収にも影響がでてきます。これにより、社会保障制度についても見直しが検討されるようになってきます。現役世代と高齢者の費用負担において公平さを維持するため老人保健制度が導入され、また、保険料の本人負担(1割)も始まりました。
 
 この頃、高齢者福祉の分野では、寝たきり高齢者が社会問題化し始めます。介護保険はまだありませんので、社会福祉の領域において特別養護老人ホームなどの体制づくりが進められてきました。1980年代に入ると、施設でのケアから在宅への以降が進められるようになり、通所介護、短期入所生活介護が制度化されていきました。そして、介護領域において大きな節目となったのが1989年に策定された「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」です。ゴールドプランを円滑に進めるために老人福祉法等が改正されて、全市町村、都道府県で「老人保健福祉計画」を策定することが義務づけられるようになりました。
 
 

時代の変化と介護保険法の成立

 1970年代の後半から高齢化率は課題となっていた日本ですが、1990年には合計特殊出生率が1.57人となるいわゆる1.57ショックがありました。その後も出生率は低い水準で推移して、全体が人口減少する中で高齢化が進む国となりました。
 
 この頃は社会の変化も進み、仕事の内容も、男女の役割も変化していました。いくつかの世帯が一軒家に住むという考えが変わり、核家族向けのファミリータイプのマンションが増加したのもこの頃です。いままで一緒に住んでいなかった両親にケアが必要になったとき、夫婦が共働きなどの家庭では、介護をすることが身体的、精神的に大きな負担となってきたのです。家で高齢者をケアできる環境が減ってきたのです。
 
 いままで福祉の分野や、老人医療の分野で扱われていた高齢者ケアの問題を一部の限られた問題としてとらえるのではなく、国民皆で高齢者ケアを支えていこうという考えの下、1997年に介護保険法が成立し、2000年4月から介護保険制度が施行されました。
 
 
※参考資料
戦後社会保障制度史 厚生労働省

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