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通所介護(デイサービス)における事業所評価加算とは?知っておくべきことを解説!

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介護事業者の皆様の間でいつも話題に上がる加算。算定の際には必然的に事務作業が増えてしまいますが、安定的に事業所を運営していくためには、やはり算定しておきたいものです。

今回の記事では、通所介護(デイサービス)における事業所評価加算の単位や要件などについて詳しくご説明いたします。
ぜひ、今後の運営にお役立てください。

介護

事業所評価加算とは

事業所評価加算について概要を説明します。

これは介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」)において、現在要支援の認定を受けている高齢者の要介護度が上がり、要介護状態になるのを防ぐために、効果的なサービスを提供していると評価された事業所が算定できる加算です。

総合事業は、2015(平成27)年の介護保険改正以降、市町村が事業主体となりました。

これまでの「地域支援事業」をより効率的に行っていくため、介護認定を受けていない高齢者に対する自治体独自の生活支援サービスと、介護保険のうち、予防給付にあたる訪問介護と通所介護をひとつの枠組みの中に取り入れ、総合的にサービスの展開をしていくことを目的としています。

これにより、介護予防通所介護の事業所評価加算も総合事業の範囲に組み込まれることとなりました。
なお、訪問看護と福祉用具等については、介護保険内の予防給付のままです。

対象となるのは、総合事業の通所介護(デイサービス)や予防通所リハビリテーションといった事業所であり、介護が必要な状態になることを予防するためのサービスなので、既に要介護認定を受けている方の通所介護事業は対象となっていません。

加算の算定には、これらの介護予防通所施設において、3つの選択的サービス(運動器機能向上サービス・栄養改善サービス・口腔機能向上サービス)のうち、いずれかまたは複数を効果的に提供している必要があります。評価対象となるのは、通常、1月1日から12月31日の1年間です。

この期間に利用者の要支援状態の維持、改善の割合が一定以上であると評価され、またその他の算定要件も満たせば、翌年度において1年間、事業所評価加算が給付されます。

通所介護における事業所評価加算

では、主に加算の対象となる通所介護における事業所評価加算について詳しく見ていきます。

事業所評価加算の単位数はいくつ?

事業所評価加算の単位は、1ヵ月あたり120単位となっています。これ自体は大きな加算ではありませんが、必須条件の選択的サービス自体にも加算が付くので、全体で見れば選択的サービスを実施し、事業所評価加算を受ける価値が出てくると思います。

各選択的サービスあたり150または225単位で、更に複数実施している場合には選択的サービス複数実施加算(Ⅰ)480単位、(Ⅱ)700単位を加算できます。

事業所評価加算の算定要件について

① 市町村に届出て選択的サービスを行っていること。
② 対象期間における介護予防通所介護または介護予防通所リハビリテーション事業所の利用実人員数が10名以上であること。
③ 利用者の6割以上に選択的サービスを実施していること。
④ 評価基準が0.7以上であること。

厚生労働省サイトより

以上4点が算定要件となっています。
③については、1〜12月における選択的サービス利用者のうち、10月末までに3カ月以上サービスを利用し、12月までに更新や変更認定を受けた方のみが対象となります。

11月以降に認定を受けた利用者は翌年の対象となり、含めないので注意しましょう。

選択的サービスとは?

では運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上の各選択的サービスがどういったものであるか、詳しく説明します。

運動器機能向上サービス

予防給付では、要支援認定を受けた利用者のうち、運動器の機能向上が必要と判断された場合に、要介護状態に陥ることの予防目的としてサービスの提供が行われます。主に、介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションの場を通じて実施することが想定されています。

具体的には、看護師や理学療法士など、指定されている国家資格を持つスタッフを機能訓練指導員として登録し、この機能訓練指導員が運動器機能向上サービスのプログラム作成と全体の進行を管理します。

事前のアセスメント、個別サービス計画、3カ月毎に運動器機能の評価、さらには体力測定等が実施されることもあります。安定した歩行の訓練、器具を使った運動など、プログラム内容は利用者ごとに異なりますが、利用者が在宅で生活を続けていく、要介護状態にならないための訓練や指導であることに気をつけます。225単位の加算になります。

栄養改善サービス

予防通所介護における栄養改善サービスとは、現に低栄養状態にある利用者や低栄養状態に陥るおそれが高い利用者に対して、食事により利用者が自立した生活を続けていけるよう、低栄養状態を改善できるように支援することを指します。

具体的にはBMIが18.5以下と痩せている、血液検査を受けた際に血清アルブミン値が3.5g/dl以下の利用者、過去6カ月以内に体重が3%以上落ちた方などを対象としています。

通所介護予防計画書に沿って、管理栄養士がアセスメントを基に、栄養状態を改善するための個別の栄養ケア計画を作成します。その計画を基に、栄養相談や栄養教育等を行うことで、低栄養を改善するための支援を行っていきます。3〜6カ月毎に評価を行います。150単位の加算になります。

口腔機能向上サービス

要支援1及び要支援2の利用者のうち、口腔機能が低下している、又はそのおそれのある利用者を対象としています。ケアマネジャーと連携し、ケアプランに沿って、口腔機能向上の必要性についての教育、口腔清掃の自立支援、摂食・嚥下機能等の向上支援を行うことで、要介護状態へ陥らないよう図っていきます。

言語聴覚士、看護師、歯科衛生士、准看護師のうち、1名を配置して、個別に口腔機能改善管理指導計画を作成し、定期的に評価する

必要があります。

気を付けなければならないのは、利用者が既に主治の歯科医師の治療や指導を受けている場合は、介護予防ではなく、医療サービスと判断され、加算の対象とならない点です。また、口腔内の状態の悪化や変化に気づいた場合には、速やかにケアマネジャーと連絡を取り、医療サービスへ繋げていくことも大切です。150単位の加算になります。

それぞれの人員基準があり、資格を持つ専門職が必要になっています。

デイサービスにおいて、管理栄養士や理学療法士、歯科衛生士といった人員配置はハードルが高い印象を受けます。ただ、常勤・専従である必要はなく、兼務可能なものもあることから、他のサービスも同時に行っている場合には検討ができそうです。

評価基準値の計算方法は?

算定要件のうち、④の評価基準が0.7以上であることについて、その計算方法を説明します。

この評価基準値は従来、国民健康保険団体連合会により、算定要件③の数値を基に算出されていました。しかし、総合事業における事業所評価加算については、国民健康保険団体連合会において加算の適合・不適合を判定する仕組みが構築されておらず、2017(平成29)年度は各市町村で対応することとなりました。

そのため、多くの市町村では評価基準値の計算様式を作成し、この計算書をダウンロードして各事業所で記入及び計算して提出するようになっています。計算方法自体は変わっておらず、要支援度の維持者数+改善者数×2を、評価対象期間内に上記選択的サービスを3カ月以上利用し、その後に更新・変更認定を受けた者の人数で割って計算されます。

事業所評価加算の届出

上記要件に該当のうえ事業所評価加算の算定を希望する事業所は、市町村に申請する必要があります。提出期限は指定権者によって異なりますので、必ず確認をしてください。

期限までに必要な書類等を確認しておく必要があります。必要な書類とは、

  1. 介護予防・日常生活支援総合事業費算定に係る体制等に関する届出書
  2. 介護予防・日常生活支援総合事業費算定に係る体制等状況一覧表
  3. 算定に係る根拠資料として次の中から1点
    • 平成29年度介護予防通所介護の事業所評価加算決定通知書の写し
    • 事業所所在地の自治体が発行した平成29年度A5の事業所評価加算の決定通知書の写し
    • 総合事業における事業所評価加算計算書

などになります。

これらの必要書類は市町村のサイトでご覧になることができます。書類記入に関する質問や書類提出先は、市町村の介護保険課や福祉部法人指導課などになります。こちらも各市町村にご確認ください。

加算算定の注意事項

指定基準を満たしていなければ、加算を算定できません。また、ローカルルールが存在する場合もありますので、その点も注意しましょう。

自治体主体の総合事業移行に伴って、特に2018(平成30)年度に向けた申請では、提出期限が変わったり、事業所が評価加算の計算を行ったりと変更点があるので、各市町村へ確実に問い合わせる必要があります。

殊に評価加算の計算は、国において全国一律に計算する仕組みが構築できていないので、事業所自らが計算式に基づいて計算し、算定基準が満たされているかどうか、自分で判断してから申請しなくてはなりません。

市町村によっては、通所介護施設所在地の自治体の総合事業現行相当サービスにおいて、事業所評価加算を取得した事業所であれば、評価加算の算定を満たしているとみなされることもあります。また、市町村のサイトなどを随時チェックしておく必要があります。

まとめ

事業者評価加算を算定することは、他のデイサービスと差別化を図ることにもなります。利用者が自宅で長く生活していくための手助けとなり、意欲的になれるような魅力あるプログラムを提供していきたいものです。

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