家庭内虐待を発見、そのとき事業所は?−2

テーマ 【コラム】外岡潤  2016-08-23
前回、家庭内虐待の例としてご利用者Aさんとその息子Bさんのケース(親一人、子一人の家庭で起きた虐待被疑事件)を取り上げましたが、以下は訪問介護事業所としての対応法を解説します。ポイントは、法律上は「虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、「速やかに、これを市町村に通報しなければならない」とされていますが、現実には虐待の認定は難しいことも多いこともあり、刑事手続の「疑わしきは被告人の利益に」の原則に従い、その認定は慎重にするべきということでした。「そうはいっても、いざ最悪の事態が生じたとき、周囲の事業所が責められるのではないか」との心配については、次の考え方に基づき行動するとよいでしょう。

関連記事:家庭内虐待を発見、そのとき事業所は?

関連記事:在宅のご利用者の徘徊、危険運転リスクにどう対処すべき?−2

外岡流「家庭内虐待の見分け方」

 まず虐待通報に踏み切るか否かについては、次の二つの観点を中心に総合的に判断します。

 1.虐待が疑われる行為が繰り返されているか

 2.虐待が疑われる行為がエスカレートしているか

 筆者は、高齢者虐待問題も、小学校などでのいわゆる「いじめ」問題とパラレルに考えることができると考えます。学校でのいじめについて調査・検証するときは、例えば一回の怪我や「最近なんとなく元気がない」といった程度のシグナルでは、喧嘩や別の原因があるかもしれないため性急には判断せず、上記二つの観点から定点観測した上で認定するのが通常といえます。

 高齢者虐待の場合もそれと同じであり、原則としてはある程度時間をかけて細かに観察する必要があるのです。

 具体的には、次のステップで行動していきます。

 ステップ1 虐待被疑事実の認定と評価

 ステップ2 養護者(虐待の原因となっている者)への聞き取りと説明

 ステップ3 行政への通報

次のページは・・ ステップ1について


テーマ 【コラム】外岡潤  2016-08-23

みんなのコメント


  • みんなのコメント

    虐待通報までのプロセスはよく理解できました。
    しかし、行政への通報までに「「最近、不自然な怪我や痣が続いている」「複数の職員から同種の報告があった」といった報告がある程度積み重なり、養護者と話をしても変化が見られない場合は、行政への通報等具体的な手段に移行します。」とありますが、いったい誰がここまでの調査をおこなうのでしょうか。ケアマネでしょうか。まるで警察が行う捜査ですよね。
    仮にケアマネとしてこれらは業務範囲ないでしょうか。報酬はどこからでるのでしょうか。
    行政でしょうか。疑問だらけです。
    本来は疑わしと思ったら通報するではないでしょうか。それを受けた行政が確認をするのが本来のやり方ではないかと思います。コラムにあるような調査中に虐待をしている家族から暴力を受けたら誰が保証するのでしょうか。そんな危険な行為を介護サービス事業所に負わせるのは本末転倒と思います

  • 虐待通報までのプロセスはよく理解できました。
    しかし、行政への通報までに「「最近、不自然な怪我や痣が続いている」「複数の職員から同種の報告があった」といった報告がある程度積み重なり、養護者と話をしても変化が見られない場合は、行政への通報等具体的な手段に移行します。」とありますが、いったい誰がここまでの調査をおこなうのでしょうか。ケアマネでしょうか。まるで警察が行う操作ですよね。
    仮にケアマネとしてこれらは業務範囲ないでしょうか。報酬はどこからでるのでしょうか。
    行政でしょうか。疑問だらけです。
    通報とは疑わしと思ったら通報するではないでしょうか。それを受けた行政が確認をするのが本来のやり方ではないかと思います。コラムにあるような調査中に虐待をしている家族から暴力を受けたら誰が保証するのでしょうか。そんな危険な行為を介護サービス事業所に貸せるのは本末転倒と思います。
    いかがでしょうか。

コメントするにはログインが必要です。