人材確保のための実践的アドバイス―その14 「辞めない人材」を採用する

テーマ 【コラム】吉澤努  2016-10-10
職員採用のための実践的ノウハウを伝えてきたが、翻って、そもそも「辞めない人材」を雇用し、離職率を下げ、職員が定着するようになるには、どうすればよいか? 人手不足だから、とだれでも雇用するのではなく、採用基準を設け、理念を明らかにして、経営者としての姿勢を明らかにすることも大切だ。

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人手不足だからといって、精査せずに安易に採用しない

 これまでにさまざまな採用に関する実践的ノウハウを申し上げてまいりましたが、人材確保に向けての最大の対策はやはり「離職率を下げること」だと思います。介護事業所の離職率は、ここ数年16%〜17%台で推移しています。採用と離職の繰り返しでは、ザルのような状態になってしまい、残っている職員のモチベーションにも影響してしまうかもしれません。

 私は、「辞めない人材」、正確に言うと「辞めづらい人材」をできる限り採用する。という点にもう少しこだわってもよいと思います。

 これまでさまざまな事業所を見たり、話を聞いたりして最も感じるのは、本当にこの人を採用してよいのか、という当たり前の疑問に対して、よく精査せずに、人手不足だから、という理由だけで、安易に(下手をすると無選考で)採用を決めてしまっていることに大きな違和感を持ちます。

最低限度の採用基準は設けるべき

 私も元々介護施設の人事責任者をしていましたから、事情はよく理解しています。しかし、「人手不足だから人を選んでいる場合ではない」「せっかく面接に来てくれたのだから、とにかく採用しなくては」という考えから、まったく精査せずに採用して、結局長く続かないというケースが多いのではないでしょうか。長く続かないだけならまだしも、チームワークや事業所の雰囲気を壊し、ご利用者からクレームを頂戴したり、結果として、辞められては困る優秀な職員まで離れていってしまった経験はないでしょうか。

 もちろん、贅沢を言っていてはキリがありません。「吟味し過ぎ」という事態にならないよう気をつけねばなりません。しかし、当事業所で働いていただくにはこのような職員であってほしい、といったある程度の採用基準はぜひ設けたほうがよいと思います。

 賛否両論あることは百も承知のうえで申しますが、職員の数が足りなくなり、たとえ介護報酬が減算になっても、ご利用者の数を減らすことになっても、最低限度の採用基準は設けるべきだと私は思います。

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テーマ 【コラム】吉澤努  2016-10-10

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