厚生労働省が示す介護保険制度の見直しに関する意見(案)について−2

テーマ 【コラム】佐藤慎也   2017-01-06
今回は社会保障審議会介護保険部会が、2016年の2月以降16 回にわたって審議を重ねてきた介護保険制度の見直しに関する意見(案)が2016年12月9日に取りまとめられましたのでその内容を、「地域包括ケアシステムの深化・推進」と「介護保険制度の持続可能性の確保」というテーマに沿って2回に渡ってお伝えしたいと思います。

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地域包括ケアシステムの深化・推進のための基盤整備等

 地域包括ケアシステムの深化・推進のための基盤整備等としては、(1)地域共生社会の実現の推進、(2)介護人材の確保、(3)サービス供給への保険者の関与、(4)安心して暮らすための環境の整備という4つのテーマで見直しの意見が出されました。

 地域共生社会の実現とは、元々、高齢者、障がい者、子どもといった対象者ごとにサービスのカテゴリーを作っていましたが、ニーズが多様化してきていることや、高齢化の中で人口減少が進行し、地域の実情に応じた体制整備や人材確保も課題となっていることから、障害福祉サービス事業所が介護保険事業所の指定を受けやすくするための見直しを行うことなどの検討をしていくということです。

 介護人材の確保とは来年度から処遇改善加算で1万円アップすることや再就職準備金貸付制度、外国人技能実習制度に介護職が追加されることなどもありますが、それに加えて介護ロボットやICT化、センサーを活用している事業所に対して、介護報酬や人員・設備基準の見直し等を行うべきとされております。

 これは介護ロボットなどの導入をすれば介護報酬に対しての加算や人員基準の緩和があり得るということです。具体的な内容はこれからとなりますが、限られた人材を有効に使うことにおいてはこのように基準緩和や加算を用いてくれることは事業所さんとしてもロボットやICTなどの導入をしやすくなるでしょうね。

 サービス供給への保険者の関与とは、地域密着デイの指定をしないことができる仕組みを導入することがあげられております。2016年4月から地域密着デイへの移行が始まりましたが、点数が高いことや事業所数が多いこと、そして何より小規模多機能の普及を妨げる観点からこのお話がでております。これが導入されてしまうと今後は簡単には地域密着デイができなくなることとなります。さらにデイサービスにおいては財務省からは軽度者の地域支援事業への移行や単なる利用者の居場所づくりとなっているものについては減算措置をすべきとの厳しい意見もでております。

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テーマ 【コラム】佐藤慎也   2017-01-06

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